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教育コース「ねらい」一覧

・教育コース
5月21日(水)9:50~11:50 / 13:20~15:20
5月22日(木)7:30~09:30 / 15:10~17:10
5月23日(金)8:00~10:00 / 15:00~17:00
5月24日(土)7:30~09:30 / 15:15~17:15

教育コース

5月21日(水)9:50~11:50

EC-01

テーマ:神経CPC
ねらい:CPCは、New England Journal of Medicineに代表されるように、医学教育の基本である。しかし剖検数の減少と、神経病理専門医の分布の偏りにより、欧米に比べ十分な教育が受けられていない状況が存在する。
提案者は、Zoom baseのGlobal Neuro CPCによる教育活動を継続してきた。本学会でも教育コースとしての継続申請を続けてきた。
今年同様、臨床呈示、神経病理呈示にYes No Questionを入れることで、対話形式を保ちつつ、教育効果が発揮出来るかたちを追求する。内容としては、神経症候学・放射線画像の推移(動的神経病理)、蛋白化学・分子遺伝学的要素(分子神経病理)、多数例検討との比較(疫学神経病理)の三本柱を基準とする。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル(※正会員向け)

EC-02

テーマ:神経疾患におけるproactive medicine〜遺伝的リスクを有する者への望ましい対応を考える〜
ねらい:神経疾患における遺伝学の進歩は目覚ましく、早期診断と早期介入の必要性が強調されている。成人発症の遺伝性神経疾患の多くは染色体顕性遺伝性形式を示し、診断時に家系内に複数のat risk者(疾患を有する可能性があるが、現時点では発症していない個人)が存在することが多い。また、X染色体顕性遺伝性疾患の女性ヘテロ患者は従来「保因者」と表現されてきたが、多くが有症状となることも明らかとなってきた。このようなat risk者や女性ヘテロ患者においても、早期診断と適切な医学介入は重要である。本コースでは、筋ジストロフィー、ATTRvアミロイドーシス、遺伝性アルツハイマー病における診断の現状について述べ、積極的な医療介入の必要性について論じたい。遺伝性神経疾患における適切な健康管理指針と生活支援を目的としたproactive medicineと、患者中心のエビデンスに基づくprecision medicineの理解の一助となれば幸いである。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-03

テーマ:筋電図塾 in なにわ
ねらい:筋電図塾は2005年から大阪で年に数回,1回4時間おこなう筋電図の勉強会です.登録さえすれば誰でも自由に参加できる集まりで,あまり指導者もいないなかよくわからないままに筋電図をしている若い医師(気持ちが若い人も含む)が少しでも理解を深め,臨床にこれほどまでに役立つ筋電図に興味をもってもらうためにボランティアで行ってきました.その学会版です.通常版より時間を短縮して行っていますが,塾長講義(筋電図の基本的な原理),症例検討,教頭講義(neurogenic & myogenic EMGと病理の対比)と通常版と同様の形式で,時間のあるかぎり双方向的に皆に考えてもらいながら行うこと目指しています.これまで京都,千葉,東京で行い多くの方が参加してくださいました.今回はホームグラウンド開催ですので原点にたち返って普段よく見かけるようなシンプルな症例から学びたいと考えています.Webも役立つけどリアルはもっといい.熱量いっぱいの会場に参加あれ!
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

5月21日(水)13:20~15:20

EC-04

テーマ:片頭痛診療におけるMissing Linkを極める
ねらい:古いものと新しいものとの間に大きな変化や飛躍が認められるとき,この劇的な変化の中間に位置する未発見のものを想定してmissing linkと称し,この想定はこれらの変化を理解する助けになる.
Blau(1992)による片頭痛の時間経過として,予兆期,前兆期,頭痛期-消退期,回復期に分けられ,各病期の連関は不明な部分が多く,missing linkと言える.また,片頭痛の疼痛に関与するカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)が各病期でいかに関与しているのかや,反復性片頭痛から慢性片頭痛への進展機序,各病期における反復性と慢性の相違に関しては不明な点が多い.
本コースを通して,missing linkに焦点を当てることにより,各病期の既知部分と前後する病期との関連性,CGRPの関与など最近の研究状況,残されている課題を明らかにし,今後の診療に役立つ片頭痛病態や治療の整理と理解に役立つものとする.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

EC-05

テーマ:アルツハイマー型認知症の病態・病理に関する最新知見
ねらい:アルツハイマー病(AD)の疾患修飾薬の登場に伴って、バイオマーカーを用いた生前のADの確定診断、さらには症状がないADの存在を認めるべきか?についての議論が盛んである。最近は、臨床症状から症候学的にADを診断するのではなく、バイオマーカーによる検査データにより定義するべきであるという意見がある。すなわち、ADは特異的な神経病理学的変化、つまりアミロイドβ蓄積とタウ蓄積に伴う神経原線維変化の出現により始まる生物学的過程であり、無症状であってもADと診断できる、診断するべきであるという考えである。しかしながら、現時点ではADの診断、病態解明には病理学的検索が必須であり、診断感度の向上、治療法の開発には今後も病理学的検討の蓄積に基づいたトランスレーショナルリサーチが重要である。本シンポジウムではADの神経病理学的研究を基盤とした病態の解明、治療法の開発について最新知見を解説したい。
[対象] 初級~上級

EC-06

テーマ:変わりつつある顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーの医療
ねらい:顔面肩甲上腕型筋ジストロフィーは筋強直性ジストロフィー、ジストロフィノパチー(デュシェンヌ型、ベッカー型等)に次いで患者数の多い疾患だが、比較的軽症で致死的合併症が乏しいと思われているため専門機関を定期的に受診している患者は少ない。また、顔面筋罹患が乏しい患者では未診断例も多いと推測される。本症においても病態解明が進み、治療開発が臨床段階に入っている。治験・臨床研究を進める上で、早期診断と定期的な標準的機能評価の実施、適切な合併症管理が必要で、患者登録・自然歴データの蓄積なども求められている。本教育コースでは、本症の発症メカニズム、診断・医療ケアにおいて留意すべきポイント、定期的に評価すべき事項、患者登録と治療開発の現状までを包括的に学ぶことで、日常臨床に活かすだけで無く、治療開発の促進に寄与することを期待する。
[対象] 初級~上級(正会員向け)

5月22日(木)7:30~09:30

EC-07★要事前予約(予約時にコースは選択できません。ご了承の上お申し込みください。)

本コースは定員に達しましたが、聴講のみ(実践なし)であれば出入り自由です。

テーマ:全力指導!てんかん塾〜あなたのてんかん診療をパワーアップ〜
ねらい:てんかん診療は特殊性が高い一方, 専門的な教育を受ける機会になかなか恵まれないという一般脳神経内科医は多い. 本教育コースでは, 参加者がグループずつに分かれ, てんかん診療に特有な「病歴聴取」, 「病状説明」, 「脳波」の3つのブースを順に回る. 「病歴聴取」と「病状説明」では, 参加者が模擬患者に対して医師役として対応し, 講師から指導を直接受けられる. 「病歴聴取」では, 初診(模擬)患者の対応を行う.
「病状説明」では, Aコース: 思春期世代への病状説明; Bコース: 精神的問題を抱える患者への病状説明(どちらか選択制)を扱う. 「脳波」では, 脳波について少人数指導が受けられる. てんかん診療に必要な特殊スキルを実践し, それらに対する講師の直接のフィードバックを通して, 一人一人の参加者の明日からのてんかん診療の質を向上させることを目的とする.
[対象] 初級~上級(正会員(医師・研究者)、非会員(医師・研究者)、初期研修医(会員・非会員)のみ事前予約可能。)

EC-08

テーマ:アクセプトされる論文の書き方
ねらい:初学者にとって論文執筆はなかなかハードルが高く、どのようにアプローチしていいか具体的な方策に迷うことが多いのが現実です。そこで、5人の論文経験の豊かな先輩から症例報告の書き方、英文和文原著、そして総説の書き方、研究成果の論文へのまとめ方の要点、他施設共同研究の成果の論文へのまとめ方のコツ、さらに投稿後に査読者の厳しい指摘に対する理路整然とした反論rebuttalの方法・記述の仕方などについてご指導いただきます。
[対象] 初級~上級(正会員向け)

EC-09

テーマ:診療セッティングごとの病状説明の役割と工夫
ねらい:医学講義で「病状説明」を体系的に学ぶことはないし、標準化されたマニュアルがあるわけでもない。また疾患によってその説明内容は著しく異なる。指導医や上級医の説明を参考にして組み立てていく段階から、自らの経験を反映させてさらに説得力のある病状説明を行っていきたい。昨年の教育コースではいくつかの疾患の病状説明を各エキスパートから解説してもらい、好評を得た。しかし各エキスパートもそれぞれの所属する病院(プライマリー病院(医院)や中核病院(大学病院など))でその内容を変えているはずである。今回はてんかん、認知症、多発性硬化症/視神経脊髄炎、パーキンソン病の病状説明を解説いただくとともに、認知症とパーキンソン病についてはプライマリー病院と中核病院での立場から解説をいただく。病院規模の違いによってどこまで説明すべきかを考える機会ともなり、参加者全員の病状説明の上達を目指したい。
本企画は臨床医部会設立準備員会からの提案である。
[対象] 初級~上級

5月22日(木)15:10~17:10

EC-10★要事前予約

テーマ:脳血管内治療を体験してみよう! 血栓回収療法ハンズオン
ねらい:脳主幹動脈の急性閉塞による脳梗塞に対して、機械的血栓回収療法は標準的治療となっています。発症から再開通までの時間を出来るだけ短縮することで後遺症が軽減されるため、脳神経内科医も血栓回収療法を含む脳血管内治療に関わる機会は増えています。本ハンズオンでは、血管モデルを用いて実際にカテーテルや血栓回収デバイスに触れて、脳血管内治療についての理解を深めることを目的としています。特に医学生、研修医や、若手の本会会員の皆様に、脳血管内治療を体験して身近に感じていただくことがねらいです。
[対象] 初級~中級(正会員、研修医会員、学生会員のみ事前予約可能)
[機材協力] ジョンソンエンドジョンソン株式会社/日本ストライカー株式会社/日本メドトロニック株式会社

EC-11

テーマ:筋疾患のキホン
ねらい:筋疾患は疾患の種類が多岐にわたり、確定診断に至ることは必ずしも容易ではない。病歴、家族歴の詳細な聴取、神経学的診察の後に血液検査、筋電図、画像検査(CT、MRI)、そして筋病理所見、筋炎特異的自己抗体の測定により診断が確定する。遺伝子診断が必要な場合もある。筋電図検査により神経原性疾患と筋原性疾患(ミオパチー)の鑑別を行い、反復刺激試験により重症筋無力症などの診断に役立てる。筋画像所見、とくにMRIは罹患部位を特定する際に有用である。筋MRIは炎症性筋疾患の生検部位の特定のために重要である。筋生検手技の実際、検体の処理法・送付法、組織評価法(HE, ゴモリ・トリクローム変法、ATPase染色、各種免疫染色)についても学習する。炎症性ミオパチーの診断の際に有用性がクローズアップされている筋炎特異的抗体について、検査のオーダー法を含め具体的に解説する。筋疾患の診察法について一連の流れをつかむことを本コースの主たる目的とする。
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

EC-12

テーマ:基礎研究は楽しいよ!脳神経内科医の基礎研究の仕方
ねらい:近年、神経疾患に関連する基礎研究の内容は非常に高度になっていますが、同時に日本の研究力の低下が問題視されています。このような状況から、高いレベルの研究を維持するためには研究マインドを持つ脳神経内科医の育成が求められています。しかしながら、専門医取得までの課程が複雑化し、多忙な生活によるワークライフバランスの圧力もあり、基礎研究を志す脳神経内科医の数が減少していると実感されています。例えば、学部学生時代は研究室に関わっていても、研修医プログラムに入ると疲弊し、研究室を離れるケースも見受けられます。こうした問題を改善する一助として、本コースでは若手脳神経内科医を対象にし、研究に興味を持つ医師たちと基礎研究に没頭してきた若手・中堅・ベテラン脳神経内科医との昨年度以上に充実させたパネルディスカッションを通じて、臨床と研究の両立の意義や楽しさを共有する場を提供したいと考えています。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

5月23日(金)8:00~10:00

EC-13

テーマ:脳神経領域のcommon diseasesと母性神経学〜挙児希望患者への対応〜
ねらい:母性内科学は、「健全な母体に健全な児は育つ」の理念のもと、慢性疾患を持つ女性の妊娠と、妊娠中に出現した内科疾患の診療を、専門的知識をもって診療する内科と産婦人科の融合によって作りあげていくべき新しい分野です(日本母性内科学会HPから抜粋)。脳神経領域においては、特にcommon diseases (脳卒中、てんかん、頭痛、神経変性疾患など) を持つ挙児希望患者の診療において、患者さんの将来の家庭計画を見据えた上での診療・治療マネージメントが求められています。本教育コースでは、脳神経領域のcommon diseasesである脳卒中、てんかん、頭痛、神経変性疾患に焦点をあて、プレコンセプション、妊娠・授乳と薬、妊娠・出産と疾患への影響を論じます。エキスパートの先生方による「症例実践編」と「最新情報」を通して、患者さんに寄り添う母性神経学を学びましょう。患者さんの「ファミリー計画」に寄り添う診療を提案します。是非、先生方の日常臨床にお役立てください。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-14

テーマ:わかりやすいすごく大切なことが語られる神経心理学の公開討論会
ねらい:このシンポジウムには4名の演者が登壇する。最初の方には、眼前の患者が失語を有するとどう診断するのかという初歩から話していただき、個々の患者を失語の枠内でどう位置づけるかを述べていただく。読み書き障害をどう判定するのか、その症候の考察から脳内の漢字とかなの機構の研究にどうつなげてきたのかが次に語られる。さて神経心理学には生理学な物の見方が必要である。運動や感情などで神経生理学と神経心理学との間でどういう対話がなされてきたのかがさらなる話題である。神経心理学者が眼前の患者と接するとき、どう診断しているかを見る機会は少ないのではないか。脳の構造や病気についてだけでなく、人文科学にも及ぶ様々な視点から、そう多くない道具を駆使して神経心理学者は診断を試みている。この実際が最後の話題である。このシンポジウムでは、双方向の討論をぜひ行いたい。討論に加わりたいという皆さんのご参加をお待ちしています。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-15

テーマ:急性意識障害での脳波のトリビア:基本に戻る、パターン認識
ねらい:脳波が臨床で最も役に立つ病態は、意識障害とてんかん発作と言われて久しく、画像所見や血液検査が正常な場合は特に重視される。最近のデジタル脳波の機能拡充で膨大な情報量を提供するが、基本に立ち返って、急性意識障害で脳波判読にとって重要な視点を再認識することは肝要である。急性意識障害の脳波には、1)急性期特有共通の基本的所見があり、2)同時に各種病態に特有の脳波パターンがある。「基本に戻る、パターン認識」の両者を詳らかにして、急性意識障害の脳波の判読の症例提示を通して、「脳波の食わず嫌い」にならずに、明日から役に立つ基礎知識と情報を一般教育コースをして提供する。具体的には、1)中央検査部からの傾向と提言、2)脳血管障害に伴う急性意識障害、3)代謝性能症、中枢神経感染症と炎症の急性意識障害、4)急性症候性発作と頭部外傷の急性意識障害、4)慢性意識障害との違い、を提示して、議論と理解を深める。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

5月23日(金)15:00~17:00

EC-16

テーマ:脳神経内科と他科の関わり:脳神経内科医に必要な他科の知識
ねらい:脳神経内科は,診療科の中で最も様々な科との関わりが強い診療科である。他科疾患が神経症状を引き起こしたり,反対に神経疾患の経過中や治療において他科的合併症に遭遇する機会も多い一方,他科との境界領域の疾患,病態や他科と共通する疾患も少なくない.前回学術大会では,内科,眼科,耳鼻咽喉科,泌尿器科,整形外科との関わりについて教育コースを行い,好評であった。今回は内科の各領域との関わりについて講義いただく.神経疾患患者の高齢化もあり,他の内科疾患を併せ持っていることは少なくなく,必然的にこれらの知識も必要とされる.
今回はその中でも頻度の高い循環器内科,腫瘍内科,血液内科,糖尿病内科について解説いただく.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

EC-17

テーマ:脳神経内科医のための小児神経患者の診かた入門
ねらい:診断技術の向上や治療開発の進歩に伴って,小児期発症疾患の予後が改善し,成人診療科へ移行する患者が増えています。インターネットや難病・障害福祉の支援制度の発展で医療情報が増え選択の幅が広がり,脳神経内科医が若年患者を診る機会が増していると思われます。「こどもは“小さなおとな”ではない」とよく言われますが,発達過程にある小児の神経学的所見は,機能が衰える高齢者とは異なる点があります。また,小児と成人で病態が異なったり,治療やケアにあたってその違いに留意を要する疾病があります。この企画では,成人との対比を軸として小児神経患者や成人移行患者の診療を論じます。若年患者の神経診療に是非お役立てください。(この教育コースは日本神経学会小児-成人移行医療対策特別委員会により企画しました。)
[対象] 初級~上級(正会員向け)

EC-18

テーマ:達人から学ぶ運動障害と不随意運動Abnormal Involuntary Movement:AIM~ビデオを中心に~
ねらい:運動障害,不随意運動AIMを診療する場合に病巣部位,発症機序,治療法に迷うことがある.この迷いは随意運動発現には運動連合野→錐体路→運動ニューロンのみならず,錐体外路系と小脳系,固有覚や視覚,その他の感覚系とが密接なネットワークを構築していることに起因する.本シンポジウムでは運動障害とAIMを診療する際の思考過程を達人から伝授していただく.梶先生には錐体外路疾患の代表であるジストニアを中心にAIMの診断の仕方と治療法について基礎から達人技まで述べていただく.代田先生には錐体外路疾患に密接に関わる小脳系と感覚統合障害について,責任病巣部位,病態生理,診断,介入法に触れていただく.柴崎先達の伝統を汲む池田先生にはAIMの中でも発現部位が大脳皮質から末梢まで多岐にわたるミオクローヌスについて,発症病理,治療方法を中心にご教示を願う.本教育コースにより運動障害,AIMへの介入法を理解いただければ望外である.
急性意識障害・急性症候性発作の脳波では、神経細胞とアストロサイトの障害の程度の違い、脳虚血・代謝障害の並存など、慢性難治てんかんと比較した病態の違いが脳波所見をより複雑にしている。本コースでは、1)慢性てんかんとcritical careの脳波の特徴と判読の違いを明らかにして、2)一般臨床での脳波判読の結果を病因病態に応じて、適切に診断治療に反映させることができることを目的とし、3)主にケーススタディー形式で両者の判読の実際を症例検討方式で提示して理解を深める。
[対象] 初級~上級(正会員向け)

5月24日(土)7:30~09:30

EC-19

テーマ:Tokyo EDx in Osaka:神経筋電気診断カンファレンスを覗いてみよう
ねらい:帝京大学脳神経内科では、2005年より、Tokyo EDx interest groupというメーリングリストを運営し、また2015年に神経筋電気診断センターを設立した。MLは現在までに6000通近くの投稿があり、約160名が参加している。ML内容は筋電図室で出た疑問・質問への回答募集と解説、報告書の書き方指導、学会発表や論文執筆のtipsなど多岐にわたり、また、症例検討やレクチャー、未解決質問の解説などの、対面ないしZoomでのカンファレンスも毎月定期的に行なっている。今回Osaka神経学会において、このTokyo EDxの対面公開版を初の試みとして行いたい。内容としては、針筋電図活動「これは何?」やEDxの様々なtipsについてのクイズとその解説、模擬患者のMMTの実技指導と検査計画立案の練習、EDx手技のライブデモ、ミニレクチャーなどを組み合わせて、参加者もactiveに参画して楽しめるプログラムを企画している。
[対象] 初級~上級

EC-20

テーマ:未来を創るリーダーシップ:脳神経内科医のためのエンパワーメントセミナー
ねらい:日本神経学会キャリア形成促進委員会からのご提案です.昨今,「医師におけるリーダーシップ教育」が注目されています.例えば米国神経学会はLeadership Universityという取り組みを2017年から開始し,MDSでも2019年にリーダーシップに関する書籍を発行しています.当委員会では,これまで医師のキャリア形成およびバーンアウト防止に取り組んでまいりましたが,いずれにおいてもリーダーシップが深く関与することから,本学会でも本格的にリーダーシップ教育に取り組むことをご提案いたします.コースでは「リーダーシップは各個人に備わっているものではなく,学問として身につけるものであること」など,リーダーシップ学の基本について学んだ後,医局,専攻医,女性医師,病院や教室の指導者を対象とした様々なリーダーシップに関する知識とスキルを学びます.方法は講義と長めの意見交換,さらに総合討論を行う予定です.
[対象] 初級~上級

EC-21

テーマ:専門医試験対策にも役立つ!今こそ学び直す神経病理のキホン!
ねらい:神経病理は,臨床神経学の基本である.なぜならば,臨床神経学は目の前の患者さんの症状がどのような病理学的変化により生じているのかを考え,検証することで発展してきた学問であり,最終確定診断が病理診断であることは今後も揺らぐことはないからである.しかしながら,日本のみならず世界的にも剖検数は減少の一途をたどっており,神経変性疾患における病理学的変化を系統立てて学習する機会は激減している.本教育コースでは,比較的若手の脳神経内科医かつ神経病理を専門とし,活動的に病理解剖を行い,国際的視野で診断および研究を行っている施設の先生方により,代表的疾患のマクロ所見,ミクロ所見から,生化学的特徴や近年のトピックスまで詳細に解説して頂く.神経病理に苦手意識のある方,神経学会専門医試験対策をしたい方や,もう一度変性疾患の神経病理について学び直したい方にとって役立つ内容としたい.
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

5月24日(土)15:15~17:15

EC-22

テーマ:学生・初期研修医のための「症候・病態」から学ぶ実践的臨床神経学
ねらい:私たちは第,63,64,65回学術大会教育コースにおいて,医学教育モデル・コア・カリキュラムや医師臨床研修指導ガイドラインの到達目標から,初学者が興味を引き,かつ日々の学修・診療に役立つ「症候・病態」を選び,双方向的プログラムを開催した.幸い,多くの参加者に恵まれ,好評を得た.第66回大会でも、従来のように神経学に関連する項目,感覚障害,歩行障害,けいれんの3項目を題材に、神経内科専門医を目指す学生.初期研修医を対象に,医療面接,神経診察,臨床推論の基本をインターアクティブに身につけるセッションを実施したい.65回大会から取り入れた神経診察手技のハンズオンは,独自に実施した参加者アンケートで,好意的な意見を得た.今回も,より双方向性を高めるため,提示症例数を3とし,神経診察をハンズオンかつインターアクティブに教授する時間を手厚く配分する構成とした.最大のねらいは,この営みを通じて,初学者に臨床神経学への興味を深めてもらうことがであるが,これまでと同様に現場で指導に苦労している中堅以上の先生方と若手指導の方法について共有しあうことを「hidden curriculum」としたい.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

EC-23

テーマ:脳神経内科診療に役立つ臨床遺伝―基礎から実践まで―
ねらい:脳神経内科領域には、遺伝性の神経筋疾患が多く含まれます。遺伝学的検査の保険適用も拡大し、脳神経内科医が日常診療の中で遺伝学的検査を実施する機会が増えています。家系図を作成した上で、最適な遺伝子解析方法を選択し、適切に遺伝学的検査・診断を実施していく必要があります。主治医自身が、遺伝学的検査の結果を解釈して患者に説明し、今後の診療計画を考えていくことが求められています。本コースは、脳神経内科診療で必要不可欠となってきている臨床遺伝リテラシーを身につけることを目的として行います。臨床遺伝の基礎を解説するとともに、症例に即した遺伝子解析方法、遺伝子バリアントの理解・評価に役立つ情報サイトを紹介するなど診療に役立つ実践的な内容もお話します。本コースで学ぶ国際標準の家系図作成法、遺伝子解析方法、遺伝子バリアントの表記・評価方法は、明日からの診療のみならず、論文の理解や作成にも役立ちます!
[対象] 初級~上級

EC-24

テーマ:実況!神経心理学 〜聴いて・見て学ぼう!厄介な神経変性疾患の症候〜
ねらい:近年,神経変性疾患の診断は非常に複雑化しており,正確な診断や病勢評価のためには神経心理学の知識や評価技術が不可欠となっている.しかし,神経心理学に苦手意識を持つ臨床医は非常に多く,特に失語や失行などの基本的であるが厄介な症候の評価において,不安を感じながら診療を行っている場面が少なくない.これらの症候は,教科書や論文を読むだけで理解することは難しく,実臨床に応用するには実践的な学びが必要となる.そこで本コースでは,症例の発話音声や診察動画などの“生”のデータを聴衆と共有し“実況”解説することで,文字だけでは得られない具体的な神経心理学的診察・評価法を理解し,日常診療に即応用できる実践的なアプローチを学ぶことを目的とする.
[対象] 初級~上級