大会長・副大会長挨拶
大会長挨拶
第66回日本神経学会学術大会
大会長 望月 秀樹
大阪大学大学院医学系研究科 神経内科学 教授
第66回日本神経学会学術大会が、2025年5月21日(水)から24日(土)まで、大阪市で開催されることとなりました。大阪国際会議場がメイン会場となり、隣接するリーガロイヤルホテルも一部利用されます。大阪での開催は、近畿大学の楠進先生が第60回大会を主催して以来のことであり、6年ぶりとなります。また、大阪大学神経内科が初めてホストを務めることとなり、大変光栄に思っています。現在、当科の教室員と同門会が一丸となって準備に取り組んでいます。
今回の大会では、第65回大会に続き副大会長を設け、近畿大学脳神経内科の永井義隆教授が就任されました。永井先生と協力して、医師、研究者、メディカルスタッフ、学生など、すべての参加者の皆様にご満足いただけるよう、幅広い視点で大会の運営に努めてまいります。時間の限られた中での活発な討論というのは、なかなか難しいのが現状です。海外の学会などを参考に、ディベート形式のシンポジウムなども検討しております。
今回の大会のテーマは「神経学が拓く未来社会(Neurology Pioneering the Future Society)」です。今後は脳神経疾患が増加し、ますます脳神経内科医が必要とされ、医学を牽引する重要な役割を担うでしょう。AIができない細かい神経診察をしっかり継承すると同時に、脳神経内科医もAIを駆使して最新研究を推進し、未来社会に対応しなければなりません。この大会では、最先端の研究や臨床研究を提供しますので、「神経学が拓く未来社会」について思いを巡らせて下さい。未来の発展には、過去の経験も重要です。今回主催します大阪大学医学部は、江戸時代の緒方洪庵の適塾にそのルーツを持ちます。緒方洪庵、適塾の歴史についても、特別シンポジウムや展示などを通じてご紹介する予定です。また、2025年はCharcot生誕200年となります。同様に特別シンポジウムやシャルーコーに関する展示を岩田誠先生や多くの先生のお力をお借りして開催いたします。さらに、この時期はちょうど大阪・関西万博が開幕された直後です。大会に参加される日本の学会員だけでなく、世界中からの参加者にも万博を楽しんでもらいたいと思います。
さらに大阪では食文化やお笑い文化を満喫していただき、大阪の魅力的な環境の中で最新の研究成果や知識を共有し、神経学の未来を切り拓けることを楽しみにしています。この学術集会が皆様の研究や臨床活動に新たなインスピレーションをもたらし、有意義なものとなり、神経学のさらなる発展に寄与することを心より願っています。
副大会長挨拶
第66回日本神経学会学術大会
副大会長 永井 義隆
近畿大学医学部 脳神経内科 教授
第66回日本神経学会学術大会の開催にあたって、大会長の大阪大学・望月秀樹教授をサポートする副大会長を務めさせていただくことになり、大変光栄に存じます。今回の第66回大会は、私の前任である近畿大学・楠 進前教授が第60回大会を主催されて以来の大阪での開催であり、望月教授と力を合わせて今大会を盛り上げられるように精一杯務めさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
人口高齢化が加速し、認知症や神経変性疾患、脳卒中など加齢に伴う神経疾患の患者数はますます増加の一途をたどり、喫緊の重要課題になっています。今大会のテーマ「神経学が拓く未来社会(Neurology Pioneering the Future Society)」には、まさにこのような重要課題に対して、私たち脳神経内科医が最新技術を駆使して、未来社会を切り拓くという思いが込められています。実際に、アルツハイマー病や筋萎縮性側索硬化症、筋ジストロフィーなどの神経・筋難病や多発性硬化症などの免疫性神経疾患に対する疾患修飾薬の開発が進み、徐々に実用化され始めています。これらの神経難病のみならず、脳卒中や頭痛、てんかんなどの患者数は多く、専門性の高い脳神経内科医の需要はますます高くなっています。このような背景の中、未来社会を切り拓いて行く若手脳神経内科医の育成は、本学会の重要な使命です。今大会では、このテーマに沿ったプログラムを練って、皆さまをお迎えしたいと思います。
先生方におかれましては、ぜひ第66回大会に多数ご参集いただき、神経学が拓く未来社会へ向けて、最新の研究成果のご発表や活発なご討議、そして先生方同士の交流を図っていただけましたら幸いです。また、若手医師を育成するべく先輩方からのご指導、応援をよろしくお願い申し上げます。並行して開催されている大阪・関西万博にも足を運んでいただき、くいだおれなど大阪の魅力を満喫していただけたらと思います。今大会が皆様にとって実り多い学術交流の場となりますことを祈念しております。