- ホーム
- 脳神経内科の主な病気
- (疾患・用語編) 重症筋無力症
(疾患・用語編) 重症筋無力症
ものが二重に見える、という症状を認めるときには重症筋無力症(myasthenia gravis, MG)という病気がかくれている場合があります。MGでは眼の症状が比較的高頻度にあらわれます。その主な症状は眼瞼下垂(まぶたがさがってくる、だるい)、複視(ものが二重にみえる)です。このように症状が眼症状に限定されているものを「眼筋型MG」と呼びます。
それに対して眼症状以外の症状があるものを「全身型MG」と呼びます。全身型MGでは眼症状のほかに、顔面の力が弱い、うまく飲み込めない、呂律が回りにくい、頸や手足の力が弱い、呼吸が苦しい、などの症状が単独またはいろいろな組み合わせで起こります。呼吸が苦しくなって人工呼吸器の補助が必要になる状態をクリーゼといいます。
A 右眼に眼瞼下垂のあるMG患者さん。
B 複視を訴えるMG患者さん。このように各方向へ眼を動かしてもらうと眼球が十分に動いていないことがわかります。