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神経内科の主な病気

てんかんとは

 てんかんは脳内の神経細胞の過剰な電気的興奮に伴って、意識障害やけいれんなどを発作的に起こす慢性的な脳の病気です。この病気は紀元前から知られており、かつては憑き物にとりつかれて生じる病気と信じられていたため、いまだに多くの誤解や偏見があります。過剰興奮が脳の様々な場所に起こるため、その場所に応じて症状も様々なものとなります。
 また、この過剰興奮を記録するための検査として脳波をおこないます。原因疾患が見つからない特発性(一次性)のてんかんと、脳梗塞・脳出血、脳腫瘍、脳炎など脳の病変が原因となっている症候性(二次性)のてんかんがあり、症候性の場合はMRIなどで異常がみつかります。

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てんかん発作分類

 てんかんは歴史的に古くから知られた病気であるため、その分類は時代とともに多くの変遷を重ねて、現在に至っています。最近もてんかんの新しい国際分類が提案されていますが、実際の診療で用いられている分類は1980年代に提案されたものです。発作のはじまりにおいて一気に脳全体が興奮する全般発作とm脳の一部分から興奮がはじまる部分発作の2つに大きく分けられます。以下に代表的なてんかん発作について説明します。

全般発作

  1. 強直(きょうちょく)間代(かんだい)発作
     おそらく皆さんがてんかん発作と聞いて思い浮かべるのがこの発作です。意識をなくし、手足をつっぱらせた後、ガクガクさせる全身けいれん発作です。口から泡をふき、眼は白目をむきます。つっぱり(強直)・ガクガク(間代)は通常、数分でおさまります。一時的に呼吸が止まり、顔色が悪くなることもありますが、けいれんがおさまれば回復しますので心配はいりません。舌をかむこと、尿失禁がみられることもあります。発作後にはもうろう状態がみられたり、眠ってしまったりすることが多いです。
  2. 欠神(けっしん)発作
     子供に多い発作で、大人になってから発症することはまれです。ボーっとなり、今までしていた動作を止めて、呼びかけても応答がなくなる発作です。5~15秒ほどで、再び元の動作に戻ります。短い発作では周囲の人が気づかないこともあります。学校の授業中に起きると、単に不真面目な児童と誤解されることもありますので注意が必要です。
  3. ミオクロニー発作
     手足、体、顔などの筋肉が一瞬ピクッとなる発作です。発作により物を落としたり、転んだりします。一瞬なので意識の障害があるかどうかは分かりません。
     思春期に発症する若年ミオクロニーてんかんという病気では、朝起きてすぐに起きる手のミオクロニー発作が特徴的です。朝方、コップや物を落とすことで気付かれます。

部分発作

  1. 単純部分発作
     意識が保たれる発作です。片方の手足や顔のつっぱり・けいれんあるいはしびれがみられたり、実際にはないものが見えたり、聴こえたり、上腹部からのこみ上げ感・なつかしい感じがしたり、訳もなく怖い感じ・さみしい感じにおそわれたりする発作です。
  2. 複雑部分発作
     意識がなくなる発作で、大人のてんかんで最も頻度が高い発作です。ご高齢の方にみられるてんかんではこの発作が約半数を占めます。欠神発作と同様、ボーっとなり、今までしていた動作を止めて、呼びかけても応答がなくなる発作です。持続は欠神発作より長く、数十秒~数分間です。口をモグモグ・クチャクチャさせたり、手足をモゾモゾ動かしたり、片方の手を不自然な格好につっぱらせたりする動きがみられることもあります。
  3. 二次性全般化発作
     上で説明した単純部分発作、複雑部分発作に引き続き、意識をなくし、手足をつっぱらせた後、ガクガクさせる全身けいれんに至る発作です。最終的には全般発作の強直間代発作と全く同じ症状がみられるので、区別するのが難しい場合もあります。治療薬の選択において両者の区別は重要です。

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てんかんの診断

 てんかんの診断で最も大切なのは発作を知ることです。発作症状,発作の起きやすい時間帯・状況、発作頻度など,患者さんだけでなく発作を目撃した方からも情報を聴取する必要があります。なお,カメラ付き携帯電話・スマートフォンが普及しているので,発作がみられた際に発作の様子を撮影していただくことをお願いしています。発作の様子を撮影した動画は診断する上で非常に役立ちます。外来で脳波やMRIを検査しても診断根拠が得られない場合には、患者さんやご家族から聴いた発作に関する情報に基づいて、てんかんと診断されることもあります。

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てんかんの治療

 治療の基本は薬物療法です。抗てんかん薬と呼ばれるてんかん発作が起きないように興奮を抑える飲み薬が用いられます。前に述べたてんかん発作のタイプによって、用いるべき薬が異なりますので、正しく診断することが重要です。また、副作用がない状態で発作を抑えることも重要です。最近は副作用が少ない良い飲み薬がたくさん発売されていますので、主治医とよく相談してください。お薬が効かない場合、外科治療(手術)で発作を抑えることができるてんかんもあります。もし2種類のお薬を試しても発作が完全に抑えられない時は、てんかん専門医の診察を受けることをお勧めいたします。
 なお、睡眠不足、精神的ストレス、過労、飲酒、薬の飲み忘れなどは発作の引き金となるので避ける必要があります。こうした引き金があって発作を起こした場合には、まず生活指導・服薬指導が行われます。いくら適切なお薬が処方されていても、こうした問題があると発作を抑えることはできません。

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