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(疾患・用語編) 代謝性・遺伝性ニューロパチーなど
ニューロパチー(末梢神経障害)は表1にあるように様々な原因によっておこることが知られています。ギラン・バレー症候群や慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーに代表される免疫性ニューロパチーのほかに、糖尿病、ビタミン欠乏、アルコール依存症などによっておこる代謝性/栄養欠乏性ニューロパチーは頻度が高く、早期に診断することで治療が可能になることから、ニューロパチーの鑑別診断のなかで重要な位置を占めています。
最近では家族性アミロイドポリニューロパチーやファブリー病などの遺伝性ニューロパチーの分野においても新しい治療法が次々と開発されていますので、ニューロパチーを疑ったときは脳神経内科を受診されることをおすすめします。以下に代表的な代謝性・遺伝性ニューロパチーの特徴について述べます。
表1. ニューロパチー(末梢神経障害)をきたす主な疾患
- 炎症性/自己免疫性
ギラン・バレー症候群
慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチー
多巣性運動ニューロパチー など - 膠原病性
顕微鏡的多発血管炎
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症
多発血管炎性肉芽腫症
非全身性血管炎性ニューロパチー
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス
シェーグレン症候群 など - 腫瘍性/傍腫瘍性
傍腫瘍性神経症候群
神経リンパ腫症
本態性M蛋白血症
クロウ・深瀬症候群(POEMS症候群)
ALアミロイドーシス など - 感染性
後天性免疫不全症候群
ライム病
癩
帯状疱疹 など - 代謝性/栄養欠乏性
糖尿病
尿毒症
ビタミン欠乏
(ビタミンB1, 2, 6, 12、葉酸、ニコチン酸、ビタミンEなど)
アルコール依存症 など - 遺伝性
シャルコー・マリー・トゥース病
家族性アミロイドポリニューロパチー
ファブリー病 など - 薬剤性
ビンクリスチン
シスプラチン など - 中毒性
重金属(鉛、水銀、タリウムなど)
農薬(有機リンなど)
有機溶剤(ノルマルヘキサンなど)