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(疾患・用語編) レビー小体型認知症
レビー小体型認知症はレビー小体という構造物が神経細胞にたまって、認知症などのさまざまな症状を示す病気です。レビー小体型認知症以外に、レビー小体がたまって運動が障害される病気にはパーキンソン病という病気がありますが、レビー小体型認知症では、脳のもっと広い範囲にレビー小体がたまり、多彩な症状がみられます。
病気は認知症の症状が中心ですが、アルツハイマー病のようには、もの忘れ症状が目立たないことがあります。さらに中核的な特徴として、①認知機能が変動すること(日時によって症状がよくなったり悪くなったりします)、②幻視(ありありとした具体的な幻視を繰り返します)、③パーキンソン症状(動作がゆっくりになります)、④睡眠時の行動の異常(悪夢をみて暴れます)があります。さらに、自律神経の症状(立ち眩みなど)、うつなどの精神症状などもみられます。
こうした特徴的な症状に加えて、脳のドパミン系をみるSPECT、心臓の自律神経をみるSPECT、睡眠時の脳波などの検査で特徴的な異常がみられ、これらの検査も併用して高い信頼度で診断ができます。
治療では、現時点では、レビー小体そのものを治す、根本的な治療効果がある治療法はありません。認知症症状、パーキンソン症状、睡眠障害など、それぞれの症状を軽減させる治療法を適切に組み合わせて治療します。認知症の症状に対する薬としては、アルツハイマー病でも使われるドネペジルという薬を使用します。
脳神経内科は脳神経系の総合診療医のような役割を果たしていますので、レビー小体型認知症でみられるさまざまな症状を的確に把握し、適切に治療します。上にあげたような症状が気になる方は早めに受診されることをお勧めします。