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神経内科の主な病気

急性脳症とは

 急性脳症に関する公式の定義はありませんが、中枢神経系に炎症、血管障害などの明確な病態が存在しない、あるいは疑われないにもかかわらず、中枢神経系の浮腫により広範な脳機能障害が生じ、せん妄状態(症状編 意識障害参照)や意識障害、けいれんなどが急激に出現した場合、急性脳症と呼びます。頭部画像上、原因となる病変がみられない例も多いので、診断不明とされる例が実際には急性脳症に起因することも多いのです。

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急性脳症の種類と原因

 代謝障害が急性脳症の主要な原因です。広義の急性脳症には、次の様々な種類(原因)があります。
 糖尿病関連脳症[低血糖性昏睡、糖尿病性ケトアシドシース、高浸透圧性非ケトン性昏睡でみられる脳症]、肝性脳症・高アンモニア血症性脳症、尿毒症性脳症、肺性脳症、敗血症性脳症、敗血症関連脳症、膵性脳症、ウェルニッケ脳症、低ナトリウム血症関連脳症(水中毒、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、腎外・腎性ナトリウム喪失症、中枢性塩類喪失症候群)、橋中心髄鞘崩壊症・橋外髄鞘崩壊症、腫瘍随伴症候群(脳脊髄炎、傍腫瘍性辺縁系脳炎、亜急性小脳変性症、傍腫瘍性オプソクロヌース・ミオクローヌス症候群)、薬剤関連脳症、可逆性後白質脳症症候群、心臓手術後の脳症、血栓性血小板減少性紫斑病。

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急性脳症の診断

 原因と病態の鑑別上、病歴と診察が最も重要です。意識障害〔意識レベルの障害あるいは意識変容(せん妄状態:意識混濁に加えて奇妙で脅迫的な思考、幻覚、錯覚が見られる状態)等の精神症候)〕、てんかん発作重積状態など多彩で重篤な神経症候がみられることが多いです。
 意識障害、片麻痺(半身不随)、けいれんの患者さんには適宜、採血、頭部CT検査、頭部MRI検査、髄液検査、脳波検査等を行います。

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糖尿病関連脳症

 低血糖性昏睡では、低血糖のために中枢神経系細胞の糖欠乏状態が進行し意識障害を呈します。
 糖尿病性ケトアシドシースはインスリン欠乏に起因して著しい高血糖、中等度以上のケトーシス、代謝性アシドーシスを呈します。
 高浸透圧性非ケトン性昏睡は著しい高血糖、血漿浸透圧の上昇、重篤な脱水を伴う昏睡を呈します。
 脱水症候として口渇、皮膚粘膜乾燥、血圧低下、交感神経刺激症候として発汗、顔面蒼白、頻脈、手指振戦、中枢神経症候として頭痛、眠気、空腹感、脱力、異常行動等がみられます。
 重症例では全身けいれん、高度意識障害、舌根沈下、失調性呼吸、クスマウル大呼吸もみられます。とくに低血糖性昏睡や高浸透圧性非ケトン性昏睡では、頭蓋内占拠性病変がないにもかかわらず、眼球共同偏倚(へんい)、片麻痺(半身不随)等の局所症候をしばしば認めます。

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肝性脳症・高アンモニア血症性脳症

 肝性脳症では、高度の肝機能障害に伴い意識障害を主とした精神神経症候がみられます。薬物、中毒、感染等の要因により高アンモニア血症を生じた結果、様々な精神神経症候を呈する場合は、広く高NH3血症性脳症と呼びます。
 肝性口臭(アンモニア臭)、黄疸、皮下静脈怒張、腹水、脛骨前面浮腫、睡眠覚醒リズムの障害、記銘力や見当識の障害、異常言動、うつ状態、傾眠、興奮・せん妄状態、昏睡、てんかん発作、アステリキシス(羽ばたき振戦)、ミオクローヌス、筋固縮等がみられます。

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尿毒症性脳症

 症候の発現と最も関連があるのは腎不全の進行速度で、本症は急性腎不全例でみられることが多いです。呂律の障害、片麻痺(半身不随)、失語症、テタニー、アステリキシス(羽ばたき振戦)、てんかん発作等がみられ、変動することが特徴的です。
 精神症候として無気力、集中力低下、無表情、性格変化等がみられ、進行すると易興奮性、記憶障害、錯乱、せん妄、意識障害に至ります。

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肺性脳症

 広義には肺の機能障害により中枢神経症候を呈する状態を指し、炭酸ガスナルコーシス、低(無)酸素・虚血後脳症、過換気に伴う中枢神経症候等が含まれます。狭義には肺の一次性疾患または二次性機能不全による脳症を指します。
 血圧変動、心拍数増加、縮瞳、顔面紅潮、頭痛、自発呼吸減弱、ばち指、発汗、熱感、筋けいれん、アステリキシス(羽ばたき振戦)、意識障害などがみられます。呼吸器疾患や神経筋疾患がないにもかかわらず、重篤な呼吸困難で発症する筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症などの神経筋疾患、中毒性疾患もあります。

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敗血症性脳症・敗血症関連脳症

 敗血症性脳症に関する明確な定義はありませんが、敗血症に伴う急性精神症候、とくにせん妄や意識障害を指し、除外診断が必要で、ICUで最も多い脳症です。細菌感染が脳へ直接波及した例を除き、敗血症または全身性炎症反応症候群(SIRS)に伴うびまん性脳機能障害に限った場合、敗血症関連脳症と呼びます。興奮、錯乱、見当識障害、意識レベル変動、昏睡、錐体路徴候、前頭葉徴候、ミオクローヌスや振戦等がみられます。死因の多くは多臓器不全です。

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ウェルニッケ脳症

 ビタミンB1(チアミン)欠乏により意識障害、眼球運動障害、運動失調等を呈します。眼球運動障害、失調性歩行、意識障害を呈し、とくに眼球運動障害はほぼ必発です。自発性や集中力の低下、無欲、傾眠傾向、見当識障害、錯乱、せん妄、昏睡、てんかん発作、注視方向性眼振、末梢神経障害、低体温、低血圧、嗄声と嚥下障害もみられます。

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低ナトリウム血症関連脳症

 低ナトリウム血症により血漿浸透圧が低下し、血管内と中枢神経系細胞内に浸透圧較差が生じるため脳浮腫、頭蓋内圧亢進が生じます。全身倦怠感、頭痛、悪心・嘔吐、脱力、振戦、筋けいれん、てんかん発作、意識障害がみられます。皮膚粘膜乾燥などの脱水所見、腹水、四肢浮腫、頸動脈怒張などもみられます。

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