東北地方太平洋沖地震援助活動報告
日本神経学会 会員 各位
この度の東北地方太平洋沖地震に際して、被害に遭われた皆さまには心よりお見舞いを申し上げます。また、不眠不休で救援・診療活動にあたっておられる皆さまに心より感謝と敬意を表します。
発生以来、約1週間が過ぎ、この間、人工呼吸器装着患者の受け入れなどの要請に、多くの会員やご施設から力強いお申し出をいただきありがとうございました。受け入れ先病院のリスト等は、東北大学を始め関係各所に配信して、ご活用いただいております。具体的な要請がありましたら、ご対応の程よろしくお願い申し上げます。
また、支援のための様々なご提案もいただいており感謝申し上げます。ご意見をまとめますと、以下のようになると思います。
1)医師などの人を被災地に派遣して救援活動をする
2)食料や医薬品などの不足している物資を被災地に送る
3)患者さんなど避難してきた方々を受け入れて診療や介護を提供する
4)募金活動をする
これらはすでに稼働しており、緊急時の救命活動から、救助された被災者の方々への支援にシフトしてきております。この間、痛感したことは広域の輸送手段が自衛隊機など非常に限られていることです。しかし、救援物資の調達や輸送手段が少しずつですが改善してきておりこれから本格化すると期待しております。
医師派遣に関して、DMAT以外にも、検屍などに関する法医学関係者の動員、被爆検査と除染に関する放射線科医の動員などが行われていますが、とくに神経内科医に限った要請は今のところありません。したがって、全ての領域の医師が不足している現在は、各施設や赤十字などの救助隊に参加して、現地に向かっておられる方々が多いと思います。
受け入れについては、例えば東京地区は、計画停電のため本当に安心できる状況ではありませんが、呼吸器装着患者、透析患者など緊急患者に続いて、より軽症の方々の受け入れが本格化しています。新潟県など近隣の自治体も同様な状況と思われます。
募金活動は、すでに多くの組織が行っておりますが、日本神経学会としても窓口を準備したいと思います。なお、会員の安否については情報収集の段階ですので、引き続きご協力をお願い申し上げます。
以上、今後の支援活動につきましては、ご施設の対策本部とよくご相談いただき、救助隊の派遣、患者の受け入れ、あるいはその両者など、最も適した方法で、ご活動いただきたいと存じます。
幸い、東北大学、岩手県立医科大学、福島県立医科大学等の神経内科とはネットワークができており、様々な情報を共有することができます。引き続き、情報提供、ご要望、ご意見などよろしくお願い申し上げます。また、今後、前述のように個別にご依頼があるかもしれませんし、学会として組織的な派遣などをお願いするかもしれませんが、そのときはどうぞよろしくお願い申し上げます。
平成23年3月18日
日本神経学会代表理事
水澤英洋