てんかん治療ガイドライン2010追補版(2012年度)
2012年度てんかん治療ガイドライン2010追補版について
「てんかん治療ガイドライン」作成委員会委員長 辻 貞俊
てんかん治療ガイドライン2010が2010年10月1日に発行されてから年月が経ち、更にこのガイドラインを作成するために収拾したエビデンスのある文献は2008年頃までであるため、てんかんに関する新しい知見も増加している。
例えば、てんかん分類に関しては、国際抗てんかん連盟(ILAE)が2010年に新しいてんかん発作分類およびてんかん症候群分類を発表したので、てんかん治療ガイドライン2010で引用している2006年改訂版分類は古いものとなった。
てんかん重積状態に使用する新しい薬剤(ホスフェニトイン)が2011年7月にわが国でも製造販売が承認され、2012年1月から市販されている。
2002年6月1日施行の道路交通法改訂により、運転免許改正道路交通法および運用基準に該当すればてんかん患者でも車の運転免許が許可されるようになった。しかしながら2010年以降、車の運転中にてんかん発作を生じ、悲惨な交通事故死が発生しているので、てんかん患者には運転免許改正道路交通法のいっそうの遵守が求められている。特に中型・大型及び第二種免許の取得に関しては、日本てんかん学会から厳しい見解が示されている。
以上の三項目に関しては、新しい情報を早く伝えた方がよいと考えられるために、「2012年度てんかん治療ガイドライン2010追補版」として、追補事項を赤字で追加した。
また、てんかんと女性の中の新規抗てんかん薬は妊娠時に使用が推奨されるかに関しては、解説内容を一部修正したので赤字で示している。
これらの追補内容が皆様の日常診療に役立つことを願っている。
目次
第1章 てんかんの診断・分類、鑑別(REM睡眠行動異常症を含む)
第8章 てんかん重積状態
- CQ8-2
- てんかん重積状態に使う薬剤はなにか
- CQ8-2
-
てんかん重積状態に使う薬剤はなにか
③てんかん重積状態にフェニトイン(あるいはホスフェニトイン)の静注は有効か
第13章 てんかんと女性(妊娠)
- CQ13-1
-
患者教育
③新規抗てんかん薬は妊娠時に使用が推奨されるか
第18章 てんかん患者へのアドバイスと情報提供
- CQ18-2
- 自動車運転免許についてアドバイスする点はなにか
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