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多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017追補版―フマル酸ジメチル―について

多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン作成委員会
委員長 松井 真

 2017年6月に刊行された多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017は、当初から2016年12月に発売されたフマル酸ジメチルに関する情報が欠けているという問題点を含んでいた。このため、同ガイドライン作成委員会では、本薬の評価を追加情報として評価し公表すべき土台となる資料を作成する目的で、追加情報小委員会を立ち上げ、委員長をガイドライン2017の作成副委員長である新野正明委員に、さらに大橋高志・越智博文・清水優子・中島一郎(50音順)の4名の委員および研究協力者に加わって頂き、計5名体制で作業を進めた。
 小委員会は第一回を2017年7月に、第二回を同年9月に開催し、第三回を2018年1月に開催することで内容を詰め、第四回を2018年2月に開催して原案を決定した。この間、上記のような一堂に会する会議のみならず、電子メールで頻繁に意見交換や原稿のやりとりを行った。作成方法は、診療ガイドライン2017を踏襲し、討議によりフマル酸ジメチルについて明らかにすべき問題点を挙げ(結果的に、他の治療薬と同じCQ建てと回答を記載することに決定した)、2017ガイドラインと同様、鈴木孝明氏との連携で文献情報を収集し、合意形成フォーマットを作成した。次に、合意形成フォーマットに記載された情報に基づき、CQとその回答内容について、小委員会全員がコンセンサスに達するまで議論を行い、文言を決定した。新薬ゆえに客観性のある情報を伝えることを重視し、また、最終的な文言や内容の決定は、COIを生じていない松井真が責任を持つ形で行った。
 本追補版には、診療ガイドライン2017の巻末資料9「日本で使用可能な多発性硬化症治療薬」の5薬剤に、フマル酸ジメチルを加えた6薬剤について作成した一覧表を添付している。新薬には、使用されながら実際の評価が決まっていくという宿命があり、医療従事者はもとより患者およびその家族にとっても、治療薬の現状を理解しつつ、その使用にあたっては、今後発信される情報に十分注意することを前提にした手引き書としてお役に立てれば幸いである。

多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017追補版―フマル酸ジメチル―

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