臨床神経学

症例報告

白質脳症を伴わないアミロイドβ関連血管炎の1例

谷口 葉子1), 北村 太郎1), 井上 裕康1), 三浦 敏靖1), 山田 健太郎1)*

Corresponding author: 名古屋市立東部医療センター神経内科〔〒464-8547 名古屋市千種区若水一丁目2番23号〕
1)名古屋市立東部医療センター神経内科

症例は86歳女性.数日前からの頭痛と急性の意識障害を主訴に受診した.頭部MRI上は両側後頭葉優位に微小出血(cerebral microbleeds; CMBs)が多発し,白質病変はみられなかったが周囲髄軟膜や一部の微小出血部にガドリウニウム造影効果を伴っていた.経過からアミロイドβ関連血管炎と臨床診断し,ステロイド療法で良好な転帰を得た.治療中に症状が再増悪した際にもCMBsの造影効果の増悪がみられたが,白質病変は出現せず髄軟膜造影効果は全経過を通じ著変なかった.
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(臨床神経, 59:814−817, 2019)
key words:脳アミロイド血管症,CAA-RI,ABRA,白質脳症,抗アミロイドβ抗体

(受付日:2019年1月31日)