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編集委員会委員長の挨拶
このたび『臨床神経学』の編集委員長を拝命いたしました。これまでも編集委員として8年にわたり、本誌に携わってまいりました。今回、責任ある立場をお引き受けするにあたり、歴代の編集委員長の皆さまのご尽力に思いを馳せ、その歴史と重みにあらためて身の引き締まる思いです。
さて、機関誌とは学会においてどのような意味を持つのでしょうか。もちろん、学会員の学術的な活動を論文や総説として記録し、多くの皆様と共有するための重要な媒体です。一方で、日本学術会議の定めによれば、査読付きの学術論文誌として「機関誌を発行すること」は、学会の要件のひとつとして明確に求められています。日本神経学会もその要件を満たし、協力学術研究団体として認められています。すなわち、機関誌は学会活動の中核をなす名実ともに大切な存在であると言えます。
『臨床神経学』は、症例報告を中心に構成されています。日常診療の中で生まれる臨床上の問いに対し、解決策を見出していくプロセスを、わかりやすく論理的に記述する力は、臨床医にとって極めて重要なスキルです。忙しい日々の中で、原稿の準備は大変に感じられることもあるかと思います。しかし、その過程で得られる学びや成長は非常に大きく、また各施設における指導力の向上や、チームの一体感の醸成にもつながるものと感じています。
編集委員会では、「育てる査読」を大切にしています。いつもと異なる視点からの助言が、思いがけない発見をもたらすこともあります。ぜひ積極的にご投稿いただき、新たな気づきを得る機会としても本誌をご活用いただければ幸いです。
自身の経験を論文として記録に残すことは、社会への貢献であると同時に、ご自身の確かな実績にもなります。『臨床神経学』はPubMedにも掲載されており、AI翻訳の精度が飛躍的に向上した現在、日本語で記された内容であっても、世界中に情報を発信できる時代となりました。
これまで培われてきた本誌の伝統を大切にしながら、さらに皆様とともにその価値を高めてまいりたいと考えております。多くのご投稿とご活用を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(三澤 園子)
編集委員
- 編集委員長
- 三澤 園子
- 編集副委員長
- 石浦 浩之
- 幹事
- 太田 康之、國分 則人、斉木 臣二
- 編集委員
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今井 富裕、漆谷 真、木下 真幸子、古賀 政利、小林 俊輔、櫻井 圭太、柴田 護、杉江 和馬、
辻野 彰、中嶋 秀人、宮本 勝一