症例報告
ペムブロリズマブ投与後に発症した重症筋無力症・筋炎の1例
野田 智子1）＊, 蔭山 遥1）, 三浦 美紀1）, 田村 拓也1）, 伊藤 宏樹1）
＊Corresponding author: 一宮市立市民病院脳神経内科〔〒491-8558 愛知県一宮市文京2-2-22〕
1）一宮市立市民病院脳神経内科
症例は77歳女性．2015年検診で右肺上葉腫瘤を指摘され，肺腺癌の診断で2016年1月より化学療法を開始した．原発巣増大，同側肺内転移があり，2017年6月ペムブロリズマブが初回投与された．投与約7週間後に両側眼瞼下垂，CK上昇が出現し入院となった．入院後構音障害，嚥下障害，筋力低下も出現した．筋生検実施後ステロイド治療を開始したが，クリーゼとなり人工呼吸器管理，血漿交換を行った．血漿交換後ステロイド治療を継続し症状は緩徐に改善した．重症筋無力症（myasthenia gravis; MG）関連抗体は抗AChR抗体に加え抗LRP4抗体，抗titin 抗体陽性で，筋生検所見と合わせペムブロリズマブ投与に関連したMG・筋炎と診断した．
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(臨床神経, 59：502−508, 2019)
key words：ペムブロリズマブ，免疫チェックポイント阻害薬，重症筋無力症，筋炎，抗titin抗体
（受付日：2018年11月18日）
