臨床神経学

原著

本邦における局所性ジストニア患者の性格傾向
―発症部位,職業からみた考察―

小林(野網) 惠1)4), 丸尾 和司2), 坂本 崇1)*, 高橋 祐二1), 堀越 勝3)

Corresponding author: 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科〔〒187-8551 東京都小平市小川東町4-1-1〕
1)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院脳神経内科
2)筑波大学医学医療系生物統計学
3)国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター
4)山梨大学大学院医学工学総合教育部

本邦における局所性ジストニア患者92名を対象として,Revised NEO Personality Inventory(NEO-PI-R)に基づく結果を決定木法に基づいて解析し,職業および発症部位による観点から性格傾向を検討した.その結果,患者パーソナリティは発症部位よりも,職業に関与するか否かによって傾向が異なることが示唆された.また音楽家を含む職業性ジストニア患者における神経症傾向と高水準の不安,職業性上肢ジストニア患者の現実的思考,musicians' dystonia患者におけるポジティブ/ネガティブ両方の豊富な感情体験が明らかとなった.
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(臨床神経, 59:791−798, 2019)
key words:決定木法,musicians' dystonia,NEO-PI-R,職業性ジストニア,パーソナリティ

(受付日:2019年1月17日)