臨床神経学

原著

肥厚性硬膜炎の臨床像とステロイド治療法に関する1考察:自験3症例と文献例66症例からの検討

植田 晃広, 上田 真努香, 三原 貴照, 伊藤 信二, 朝倉 邦彦, 武藤 多津郎

Corresponding author: 藤田保健衛生大学医学部脳神経内科〔〒470―1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1―98〕
藤田保健衛生大学医学部脳神経内科学

肥厚性硬膜炎の自験例3症例と,文献例66症例の臨床的特徴と治療反応性を検討した.症状は頭痛が最多で,脳神経障害は視神経,動眼・滑車・外転神経障害の割合が高い.検査所見はCRPあるいは赤沈の上昇例が約95%と高率である.治療法はステロイド使用例が多い.初回平均投与prednisolone(PSL)量は42.7mg/day,平均維持量はPSL12.4mg/dayであった.再発率は初回ステロイド治療が奏効した例でも43%と高率であった.自己免疫異常を背景とすると考えられる肥厚性硬膜炎では,疾病初期の症状コントロールの難しい症例,治療開始15カ月以内に炎症反応の再上昇する症例,PSL20mg/day未満での再発が多いことに注意して,PSLの減量はきわめてゆっくり長時間をかけておこなうことが重要と考えられた.
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(臨床神経, 51:243−247, 2011)
key words:肥厚性硬膜炎,ステロイド,治療法

(受付日:2009年9月1日)