臨床神経学

症例報告

痙性対麻痺様の症候を呈した脊髄小脳失調症2型の1例

宮地 洋輔1)2)*, 土井 宏2), 児矢野 繁2), 馬場 泰尚2), 鈴木 ゆめ2), 黒岩 義之2)

Corresponding author: 横浜市立大学附属市民総合医療センター〔〒232-0024 横浜市南区浦舟町4-57〕
1)横浜市立大学附属市民総合医療センター神経内科
2)横浜市立大学神経内科

症例は50歳女性である.出産歴,発達歴に異常なく,神経疾患の家族歴をみとめない.約6年間の経過で進行する頸部ジストニア,口部ジスキネジアおよび腱反射亢進を主とする症候をみとめた.原因不明の痙性対麻痺と考えたが,脳MRI上小脳虫部の軽度の萎縮をみとめたため遺伝子検査を施行したところ ATXN2 の一方のアレルにおいてCAGリピートが38と異常伸長をみとめたため,脊髄小脳失調症2型(SCA2)と診断した.本症例ではSCA2に特徴的とされる小脳性運動失調,緩徐眼球運動,腱反射低下がみとめられず痙性対麻痺様の症候を呈したため,SCA2の臨床像の多様性を示す貴重な症例と考えられた.
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(臨床神経, 50:641−644, 2010)
key words:SCA2,痙性対麻痺,ジストニア,ジスキネジア,腱反射

(受付日:2009年11月13日)