臨床神経学

短報

Pergolide少量投与にて著明な全身性浮腫,胸水貯留をきたしたParkinson病の1例

千原 典夫, 早川 幹人, 吉村 まどか, 椎尾 康, 中瀬 浩史

虎の門病院 神経内科〔〒105-0001 東京都港区虎ノ門2丁目2番2号〕

症例は77歳女性である.Pergolide 200 ug/day使用開始1年後から下肢の浮腫が出現し,その2年後から増悪,歩行困難となり05年2月に入院した.パーキンソニズムの他,著明な全身浮腫,両側胸水貯留をみとめた.全身検索にて浮腫,胸水貯留の原因となりえる内科的疾患が否定的であったため,薬剤性と考えpergolideを中止としたところ,ごく短期間で胸水・浮腫が消失した.pergolideは浮腫・胸水を生ずることが知られているが,本例での投与量は200 μg/dayと既存の報告より少量であり,少量投与に際しても浮腫・胸水の有無を定期的に検索する必要がある.
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(臨床神経, 48:143−145, 2008)
key words:Parkinson病, Pergolide, 胸水, 線維化

(受付日:2007年7月19日)