臨床神経学

第44回日本神経学会総会

シンポジウム3-3:日本におけるプリオン病(神経系感染症最近の話題)
プリオン蛋白の構造と病原性

村本 環

東北大学大学院医学系研究科附属創生応用医学研究センタープリオン蛋白研究部門CJD早期診断・治療法開発分野

プリオンの主成分である異常型プリオン蛋白の構造に関する情報をえるために,各構造ドメインを欠損した変異プリオン蛋白の異常化能,プリオン形成能,病変形成能を検索し,アミノ酸106個からなるミニサイズの欠損変異プリオン蛋白が上記3つの能力を持つことを明らかにした.一方,GPIアンカーを欠損する変異PrPは異常化能は持つが病変形成能に乏しいことが示唆され,3つの現象を間に特異な乖離現象がみとめられた.

(臨床神経, 43:813−816, 2003)
key words:プリオン蛋白, 変異, 蛋白構造, アミロイド

(受付日:2003年5月16日)