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教育コース「ねらい」一覧

・教育コース
8月31日(月)10:30~11:00 / 13:30~15:00 / 15:15~16:45
9月1日(火)9:00~10:30 / 10:45~12:15 / 13:45~15:15 / 15:30~17:00
9月2日(水)9:00~12:10

教育コース

2020年8月31日(月)10:30~11:00

EC-01

テーマ:虚血・出血・認知症~広がり続ける脳小血管病の世界
ねらい:脳主幹動脈閉塞をいかに早期に診断して血管再開通が得られるか.脳卒中診療は発症後数時間がすべてである,という考え方が現在,常識となりつつある.これに対し,脳小血管病small vessel diseaseは一見地味な疾患である.しかし的確な診断と対処を怠れば,脳梗塞,脳出血,認知症,自己免疫性脳症など,種々の病態が顕在化し,患者の予後は瞬く間に悪化してしまう恐れがある.さまざまな面で,容易に要介護状態を来し得る厄介な疾患である.高齢化社会を迎え,その重要性はLarge vessel occlusionに劣らない疾患として,徐々にその存在感を増している.その背景にはAβの血管壁への蓄積や,高血圧を主体とした血管危険因子,さらには遺伝的要因が複雑に絡み合っており,病態はまだ十分明らかにされていない.この現代の難病にわれわれはどのように立ち向かうべきなのか.いまだ計り知れない.広がり続ける脳小血管病の世界のこれからについて,ともに考えたい.

EC-02

テーマ:片頭痛だけが一次性頭痛じゃない;ゾーンに入った頭痛診療を目指して
ねらい:一次性頭痛の中で最も多いのが緊張型頭痛,次が片頭痛ですか,一次性頭痛はこれだけではありません.一次性頭痛の知識を広げ,明日からの頭痛診療の懐を深くしませんか.
それぞれの頭痛の疫学,診断上の留意点や治療の最新情報まで解説します.

2020年8月31日(月)13:30~15:00

EC-03

テーマ:疾患修飾薬使用中の多発性硬化症患者のモニタリングの仕方:最前線と実臨床
ねらい:多発性硬化症(MS)の疾患修飾薬は、再発寛解型を主たる対象として注射薬4種と経口薬2種が我が国では医療保険で承認されている。これらの薬剤の日常臨床への導入により再発はよく抑えられるようになったが、treatment failureの判定や進行性多巣性白質脳症(PML)の発生の継続的な評価が不可欠である。このため神経内科医のモニタリングロードは増すばかりである。世界的には二次進行型や一次進行型の疾患修飾薬も開発・承認され、我が国でも遠くない将来に導入される見込みである。ここでは再発によらない障害の進行の評価が不可欠である。さらにこれらの薬剤においてもPML発生のリスクがつきまとう。そこで本教育シンポジウムは、疾患修飾薬投与中のMS患者のモニタリングの最前線と実臨床で可能なことを学ぶ機会としたい。

EC-04

テーマ:症例で学ぶ認知症道場 あなたの診断は?
ねらい:本コースは、研修医を含め神経心理学の専門家ではないが、日常診療で認知症に携わることがある臨床家を主な対象とする。ただし専門家やメディカルスタッフにも個別の症例の検討を通して十分有意義なものとなるように症例を選択し討論を行う。認知症の診断そのものに落とし穴がある偽性認知症や、見逃してはいけないtreatable dementia、妄想や幻視などの精神症状についての評価、臨床の現場で遭遇する認知症疾患の特徴、診断のコツ、診療のコツ、考え方などを症例を通してエキスパートと一緒に考えていく機会を創出する。演者4名のそれぞれに上記の観点から教訓的な症例を1-2例ずつ呈示してもらい、オーガナイザー、演者、その他招待したパネリストを含めてディスカッションを行う。

2020年8月31日(月)15:15~16:45

EC-05

テーマ:仮面舞踏会(臨床)の楽屋裏(神経病理)を覗く-臨床の鑑別力を高めるために-
ねらい:臨床診断を病理で確認することで神経内科臨床のスキルアップが期待できるが,それを実践する場はわが国では乏しく,その経験を共有し深める機会は限られている。普段こうした経験に乏しい臨床医を対象に,神経病理の教育コースを本学会で既に3回開催し,いずれも満席の好評を博してきた。それぞれの神経疾患のスペクトラムは思った以上に広く,臨床病型は互いに類似する場合もあり,病理像を臨床から予見することは必ずしも容易でない。今回臨床病理像の基本をお話しいただいた上で,病理診断が臨床診断と異なった例にも注目し,どうすれば臨床の鑑別力を高めることができるか手がかりをお示しいただく。臨床力を高めながら、病態を見直し、それに関連した研究にまでつながるツールとしての神経病理の面白みを、より多くの会員と共有したい。

EC-06

テーマ:めまいと眼球運動障害を簡単に理解するコツ
ねらい:めまいや眼球運動障害のために、脳神経内科を受診する患者は多いが、その診断・治療に難渋する場合も多い。本教育コースでは、脳神経内科医が知っておくべき、めまい・平衡障害ならびに眼球運動障害のup-to-dateな情報について概説する。 まずめまいに関しては脳神経内科の立場から⽚頭痛関連めまい、自己免疫性小脳失調症など治療可能な中枢性めまいを中心に(約30分)、耳鼻科領域からは、最新の国際的診断基準に基づいた、めまい・平衡障害の疾患概念と その治療について、特に前庭性片頭痛について概説する(約30分)。 眼球運動障害に関しては、脳神経内科の立場から脳に起因する眼球運障害を解説し (約30分),次に眼科医の立場から外眼筋や眼瞼に起因する眼球運障害を解説する(約30分)。本教育コースは,苦⼿なめまいや眼球運障害を手っ取り早く理解したい初期ないし後期研修医向けではあるが,脳神経内科的視点ばかりでなく,耳鼻科・眼科のエキスパートからの解説もあるため,上級者にとっても有意義である.

2020年9月1日(火)9:00~10:30

EC-07

テーマ:てんかん発作か発作性運動異常症か、それが問題だ。
    (Seizures or involuntary movements, that is the question.)

ねらい:てんかん発作と狭義の発作性運動異常症は、共通して症状発現脳内構造が、大脳皮質・大脳基底核・脳幹等に由来し、少なくとも両者の症状は類似する。症状が発作性に出現する場合は、さらに両者の鑑別が困難となる。近年は、共通した遺伝子異常の存在、神経細胞膜抗原に対する抗体で自己免疫性脳炎では両者の症状が混在する事実は、両者の共通した基盤と異なる病態を明確にして、病態と治療方針を明らかにすることが求められる。両者を鑑別にてんかん性脳波異常の有無は重要であるが、脳波異常が記録困難な症例も多い。病因、症状、臨床神経生理学、遺伝子異常、治療薬などから議論して、両者の異同を詳らかにする。

EC-08

テーマ:脳神経内科医に必要な脳死・臓器組織提供の知識
ねらい:平成28年7月、本邦における臓器組織移植に関する中核組織である日本臓器移植関連学会協議会への日本神経学会の参画が同協議会で満場一致で決定された。このように法的脳死判定における神経内科医の役割が強く期待されるに至った現在、法的脳死判定と国内外の脳死をめぐる議論において、わが国の神経内科医のプレゼンスを高めるために、脳神経内科医に必要な脳死・臓器組織提供の知識について第一人者の先生方に現状と国内外における動向について解説して戴く。

2020年9月1日(火)10:45~12:15

EC-09

テーマ:末梢神経疾患を知ろう
ねらい:標榜科の名称が「神経内科」から「脳神経内科」に変更される方向である。これは「脳」を対象とする科であることを明確にすることがひとつの目的であるが、一方で「末梢神経疾患」も重要な対象疾患であることは、従来と変わりはない。末梢神経疾患は神経内科専門医が専らみているといっても過言ではなく、日常診療でも必ず遭遇するものである。そこで末梢神経疾患について、最近のトピックスも含めて理解を深めてもらうためにこのコースを企画した。さまざまな末梢神経疾患について、生理学検査、病理学的検討、抗体や遺伝子の解析などを含めて、主として症例を題材にして聴衆に質問を投げかけるようにしてすすめる。

EC-10

テーマ:頭痛学入門:明日から始める一歩踏み込んだ頭痛診療
対 象:医学生・初期研修医
ねらい:誰でも症例経験の少ない領域は不安が付きまといます.
頭痛は,日常診療にありふれた訴えであるにもかかわらず,頭痛の患者さんをどのように診療したらよいのかは,教科書やガイドラインを読んだだけではうまくいかないことも多々あります.
本セミナーでは,頭痛の診断の決め手と治療薬の使い方など実地診療にあわせてより踏み込んだ診療のノウハウをわかりやすく解説します.明日からの頭痛診療にぜひ役立ててください.

2020年9月1日(火)13:45~15:15

EC-11

テーマ:老年期神経疾患の画像診断tips;典型例と非典型例を識る
ねらい:神経画像診断には典型例から非典型例まで一定の振れ幅がある。認知症疾患でも典型例であれば診断に苦労することは少ない。しかし、A)非典型部位に病変が初発するケース、B) 重複病理により病巣が修飾されるケース、C) 画像診断の特徴が十分に確立されていない認知症疾患など、診断を困難にする様々な理由がある。疾患の"典型的な顔"から"非典型的な顔"まで、症候や画像の振れ幅を知ることで臨床像と画像の対応を理解し、診断に結びつける能力を涵養する。具体的にはAのカテゴリーとしてPosterior cortical atrophy、Logopenic progressive aphasiaなど非典型的アルツハイマー病(AD)、認知症が前景にたつ皮質基底核変性症、Bとして脳小血管病とADの合併による混合型認知症、Limbic-predominant age-related TDP-43 encephalopathy(LATE)の合併するAD、Cとして嗜銀顆粒性認知症、原発性年齢関連タウオパチー(PART)を取り上げる。非典型例の画像を識ることで認知症疾患の画像診断の最先端を学び認知症の病態そのものの理解に繋げたい。

EC-12

テーマ:知っていて、解っていない神経診察の基本
ねらい:神経診察とは、誰でもできるはずのタスクを行わせて、どのように障害されているかを見て、病変がどこにあるか・その病態生理は何かを推論する作業である。従って、神経診察を十分理解するには、正常生理の理解が必須である。今回は、以下の4つの症候について、正常と異常を解説していただく。
しゃべりにくさ:この訴えは、構音障害を意味するだけではない事を、発声・発語・失行などの要素を考えつつ、解説する。眼球運動:その詳細な生理学的機序が解明されているが、臨床現場でその精密さが生かし切れていない。眼球運動の種類・生理学的機序を踏まえ、患者の眼球運動の診察について解説する。歩行:歩行とは一回一回転んでいて、走るとは飛んでいると言う生理を踏まえつつ、歩行障害の診察を解説する。不随意運動:随意運動が解らずして、不随意運動は解らない。この両者について解説する。
必ず、明日からの診療に役立つ知識を吸収できると確信する。

2020年9月1日(火)15:30~17:00

EC-13

テーマ:臨床病理カンファレンス
ねらい:臨床病理カンファレンスは,病理解剖が少ない現状において,どの施設でも開催できているわけではない.ここでは,2つの症例に関して,その臨床経過を呈示していただき,参加者から鑑別診断などをいただいた後に,病理所見を解説する方法で2症例の検討をおこないたい.また,当日は,ディスカッションを活発にするために,コメントをしていただく先生もお願いすることにします.そのため,コメントをされる先生も,あらかじめお願いしておくことにしました.もちろん,その場での自由な意見がでるような雰囲気にしたいと思います.

EC-14

テーマ:もっと学びたい!今日から役立つ神経リハビリテーション
ねらい:リハビリテーションは,機能回復・障害克服・活動を育むを根幹に,急性期・回復期・生活期の幅広い領域で重要な役割を果たしており,脳神経内科診療においても非常にかかわりが深いことは説明するまでもない.本コースでは,摂食・嚥下,失語,パーキンソン病,ロボットスーツHALの4つのテーマに絞り,エキスパートの先生方からup to dateな講演をいただき,今日からの診療に活かして頂くことを目的とした.

2020年9月2日(水)9:00~10:30

EC-15

テーマ:ここまで来ている!最新の脳卒中診療
対 象:医学生・初期研修医
ねらい:世界中で最新のエビデンスに基づき,脳卒中治療ガイドラインが年々と改定される中,日本も新しいエビデンスに基づき脳卒中治療ガイドラインの改定を随時行なっている.急性期の抗血栓療法としてアルテプラーゼ静注療法から機械的血栓回収療法まで全国的に標準化が進んでおり,画像検査では従来の治療時間枠を拡大しうるMRIの拡散強調画像評価および灌流画像によるミスマッチ評価がトレンドになっている.また抗血栓薬に関しては欧米豪でテネクテプラーゼがアルテプラーゼを凌駕するエビデンスが出ており,日本では未導入であるが今後の潮流となりうることも知っておく必要がある.慢性期では一定期間の二剤による抗血小板療法DAPTに対してエビデンスが確立されている.4種類あるDOACに関しても今一度使い方や,出血を起こした際の中和方法を整理する必要がある.リハビリテーションに関してはロボテックを使用した試験が盛んであり,世界的なエビデンスの創出が期待されている.日進月歩の脳卒中診療の最前線にいる講師陣が医学生/初期研修医向けに情報発信し,最新の脳卒中診療に触れる機会を設けたい.