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教育コース「ねらい」一覧

・教育コース
5月18日(水)9:50~11:50 / 13:20~15:20
5月19日(木)7:30~ 9:30 / 15:30~17:30
5月20日(金)7:30~ 9:30 / 13:45~15:45
5月21日(土)8:00~10:00 / 15:00~17:00

教育コース

5月18日(水)9:50~11:50

EC-01

テーマ:Mimicsの神経病理ー診断基準と画像で十分ですか?−
ねらい:臨床診断基準の整備や画像技術の進歩により、神経変性疾患の臨床診断精度は格段に進歩したかに見える。しかし、病理と臨床診断の間の乖離はパーキンソン病では2-3割、認知症ではそれ以上で、CBD/PSPではさらに混乱している現状に大きな変化はない。本企画では臨床診断と病理診断の両者に関与してきた臨床医の眼を通して、この乖離の現状と診断基準の限界を共有する。この乖離を減らし、臨床診断の精度を向上させるポイントとなる問題点を明らかにして、明日からの診療に活かしていただくことを目標にしたい。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-02

テーマ:どんな中枢神経免疫疾患を疑うときにどんな抗体をどんな方法で測定すればいいか:Expert Opinion
ねらい:神経免疫疾患においては、重症筋無力症の抗アセチルコリン受容体抗体など、神経筋接合部や筋肉、末梢神経を標的としたpathogenicな自己抗体の発見が先行して、病態解明に重要な役割を果たしてきた。中枢神経免疫疾患においても、脱髄疾患や自己免疫性脳炎で、グリアやニューロンの細胞膜に発現する分子に対するpathogenicな自己抗体が発見され、病態解明のみならず治療法の選択に大きく貢献している。しかし、測定法によっては偽陽性や偽陰性があり、結果の解釈に悩むことも少なくない。また医療保険で測定できるものもあれば、測定できないもののあり、臨床の現場ではとまどうことも多い。本コースでは、主に中枢神経を侵す神経免疫疾患を対象に、どのような患者でどのような抗神経抗体をどのような方法で測定したらいいかを、わかりやすく説明し、これらの抗神経抗体をめぐる臨床の現場での悩みにエキスパートが回答する。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-03

テーマ:神経疾患における痛みを改めて考える-新たな概念「痛覚変調性疼痛(nociplastic pain)」を含めて
ねらい:痛みの原因としては、組織の損傷や炎症に伴う「侵害受容性疼痛(nociceptivepain)」と、末梢や中枢の伝導経路の異常に起因する「神経障害性疼痛(neuropathic pain)」が知られている.2017年に国際疼痛学会(IASP)より、第3の原因として、「痛覚変調性疼痛 (nociplastic pain)」(日本痛み関連学会連合2021年公式訳)という新しい概念が提唱されたが、脳神経内科医に浸透しているとは言い難い.痛みを伴う神経疾患は数多く、QOLを阻害する因子としてきわめて重要であり、神経疾患における痛みについて改めて考えてみたい.
 本教育コースでは、まず「痛覚変調性疼痛」を含めた痛みの生理学的機構の最近の知見を解説いただいた後、神経疾患における痛みの生じるメカニズムの最近の知見について解説いただく.口腔顔面痛は、脳神経内科医が診察する機会も少なくなく、「痛覚変調性疼痛 」が注目されており、口腔外科の立場からも解説いただく.
[対象] 初級~上級

5月18日(水)13:20~15:20

EC-04

テーマ:症例から学ぶ神経心理学:神経心理を診断に生かす
ねらい:アルツハイマー病は記憶障害、前頭側頭型認知症は遂行機能障害など、各々の認知症疾患には固有の認知障害の特徴があるといわれている。神経心理テストは、認知障害の特徴把握のために欠かすことのできないツールだ。しかし、記憶テストの成績低下があれば記憶障害、遂行機能テストの成績低下があれば遂行機能障害、という単純な解釈が通用するのだろうか?このような不安を抱く臨床家は少なくないと思われる。
本教育コースの目標は、神経心理学の基づいた診断推論について具体例を通じて学ぶことである。どのような場合にどのような検査をするべきか、検査の解釈における交絡因子は何か、画像所見との対応をどのように考えるかについて、発表される症例を通じて発表者と参加者で一緒に考えていきたい。
[対象] 初級~上級

EC-05

テーマ:ベッカー型筋ジストロフィーおよびジストロフィン変異保有女性の診療上の注意とエビデンス構築の必要性
ねらい:デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)に対して2014年に診療ガイドラインが発刊され、ステロイド治療、リハビリテーション、脊椎変形の評価、呼吸ケアや栄養管理が進んだ。さら、エクソン・スキップ治療など新たな治療法の導入も行われている。一方、ベッカー型筋ジストロフィー(BMD)は、未診断例があり従来考えられているより発症頻度が高いこと、心筋障害や中枢神経障害が前景に立つ例があることから、日常の診療・ケアに注意が必要である。また、女性ジストロフィン変異保有者においても、加齢と共に心筋障害や骨格筋障害が高頻度に見られることが明らかとなり、健康管理を積極的に行う必要性が報告された。本教育コースでは、BMDと女性ジストロフィン変異保有者に焦点を当てて、診療上の注意点とエビデンス構築に患者登録や自然歴研究によるデータの蓄積が必要であることを5名の筋疾患専門家から発信する。
[対象] 初級~上級

EC-06

テーマ:120分でしっかりわかる頭痛診療のオキテ
ねらい:頭痛を主訴に来院される患者さんは少なくありません.本教育コースでは代表的な頭痛ごとに、診断のkeyとなる背景や問診・診察所見、ICHD-3や頭痛診療ガイドラインの正しい読み方、治療薬の選択方法や特殊事例(妊婦など)への対応、経過観察する際のポイント、など頭痛診療を進めていくために必要な留意点(オキテ?)について、エキスパートの先生から解説して頂きます.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

5月19日(木)7:30~9:30

EC-08

テーマ:神経内科医が知っておきたい小児神経
ねらい:神経学はそもそも、小児期から成人期までの一貫した学問であり、ヒト神経系の成長・発達・完成・衰退の過程における病的変化すべてを対象としています。しかし、成長発達過程にある小児では、症候の評価や病態の検討にあたって成人と異なる配慮を要します。また、小児期と成人期では病型構成や治療戦略が異なることもあります。小児神経疾患の治療向上や社会的支援体制の整備により、多くの小児神経疾患患者が成人を迎えられるようになり、小児期から成人期に至る生涯医療が求められる時代となりました。このコースでは、成人を迎えることが多い小児神経疾患を取り上げ、成人期発症の病態との違いや治療における留意点を中心に概説するとともに、遺伝学的解析の手法と解釈についても解説し、成人期に神経内科医が診療を引き受ける際に役立つ知識と情報を提供します。
[対象] 初級~上級

EC-09

テーマ:今さら聞けない? アルツハイマー病疾患修飾療法の基礎知識
ねらい:アルツハイマー病のアミロイドワクチン療法が米国で承認され、疾患修飾療法が現実のものとなってきた。わが国でも遠くない将来に同じ状況に突入する可能性があり、すでに患者・家族からの疾患修飾療法に関する問い合わせが増えている。しかし、開発に20年以上の長い時間を要したこともあり、その実態はわかっているようで案外知られていない。アルツハイマー病のワクチン療法にはどのようなものがあるのか、その効果と安全性、対象となる患者選択などの基本知識について、本コースではワンストップで網羅的に習得する機会を提供する。とくに、問題になっているアミロイド関連画像異常(ARIA)についての豆知識や、ATN分類、アミロイドPETの解釈、アミロイドの脳外クリアランスなどについてわかりやすく網羅的に解説する。
[対象] 上級:神経内科専門医

5月19日(木)15:30~17:30

EC-10

テーマ:<木村淳先生追悼教育コース> アクセプトされる論文の書き方
ねらい:第62回日本神経学会学術大会における教育コースで実施された「アクセプトされる論文の書き方のコツ」は、受講者からきわめて評判がよく高い評価を得ました。初学者から専門医まで幅広い参加者がありましたが、コロナ禍のため参加者数が少なく、受講できない会員が多くおりました。また、演者も大多数が緊急事態宣言等の制約のため現地参加できずWebでの視聴コースとなってしまいました。そのため、同趣旨で、第63回大会においてもさらに多くの会員に受講していただきたく提案させていただきます。
初学者にとって論文執筆はなかなかハードルが高く、どのようにアプローチしていいか具体的な方策に迷うことが多いのが現実です。そこで、5人の先輩から英文原著、和文原著、症例報告そして総説の書き方、研究成果の論文へのまとめ方の要点、他施設共同研究の成果の論文へのまとめ方のコツ、さらに投稿後に査読者の厳しい指摘に対する理路整然とした反論rebuttalの方法・記述の仕方についてもご指導いただきます。
 本教育コースの準備の過程で、木村淳先生が2022年3月3日にご逝去されました。企画者および演者一同大きな衝撃を受けました。しかし、幸い本コースは前回第62回大会にてもほぼ同一内容で採用され、木村淳先生は米国から来日することが叶わず、ご講義を動画に収められ、コースの開講当日に放映されました。木村淳先生のご講義は、歴史に残る名講義でありました。このたび、京都大学脳神経内科のご尽力で、第63回においても木村 淳先生の動画を放映することが可能になりました。
従って、本教育コースを『木村淳先生追悼教育コース 「アクセプトされる論文の書き方」』と銘打って、木村淳先生をお偲びする目的も兼ねて執り行いたいと思います。
[対象] 上級:神経内科専門医

EC-11

テーマ:神経画像が役に立つ二次性頭痛
ねらい:頭痛は、脳神経内科を受診する患者の最も多い主訴である.多くは一次性頭痛であるが、その診断は、二次性頭痛を除外することから始まる.2021年に片頭痛に対する予防薬としてCGRP関連製剤が相次いで認可されたが、高価な治療であり、一次性頭痛を正確に診断することはきわめて重要である.二次性頭痛を除外する場合、その診断には画像診断、特にMRIが果たす役割はきわめて大きい.これまで、本教育コースでは、一次性頭痛や片頭痛はしばしば取り上げられているが、二次性頭痛に絞ったものはなかった.
本教育コースでは、二次性頭痛のうち、画像診断がきわめて重要な脳神経疾患について解説いただく.なかでも脳動脈解離と脳静脈血栓症/肥厚性硬膜炎は、新進気鋭の神経放射線科医より読影のコツを解説いただく.
[対象] 初級~上級

EC-12

テーマ:キソから学ぼう筋疾患
ねらい:筋疾患は疾患の種類も多岐にわたり、診断を確定することは必ずしも容易ではない。病歴、特に家族歴の詳細な聴取、および神経学的診察を行ったのちに、血液検査、筋電図、画像検査(CT,MRI)、そして筋病理所見により最終診断に至る。遺伝子診断が必要な場合もある。筋電図検査により神経原性疾患と筋原性疾患(ミオパチー)の鑑別を行い、反復刺激試験により重症筋無力症やLambert Eaton筋無力症候群の診断に役立てる。筋画像検査、特にMRIにより筋の罹患範囲を特定することが診断の一助となる場合もある。また筋MRIは炎症性筋疾患の生検部位の特定のためにも重要である。診断の決め手となる筋生検の手技の実際、検体の処理法・送付法、組織の評価法(HE染色、ゴモリ・トリクローム変法、ATPase染色、各種免疫染色)についても学習する。また炎症性筋疾患、壊死性ミオパチーで陽性となる特異的自己抗体についても概説し、参加者に筋疾患の診断までの一連の流れをつかんでいただくことを本教育コースの主たる目的とする。
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

5月20日(金)7:30~9:30

EC-13

テーマ:ジストニアを究める
ねらい:ジストニアは頻度が高い症候であるが、症状が多彩であること、他の不随意運動と併存することも多いことから過小診断されていることが少なくない.本教育シンポジウムでは①多彩な表現系を呈するジストニアを適切に診断することを学ぶ.次いで、②新たな病因遺伝子が続々と同定されている遺伝性ジストニアの病因遺伝子の機能からジストニアの成因を共に検討する.さらに、治療方法の側面からジストニアをみると、ジストニアは運動障害を来す不随意運動であると同時に、拘縮による二次障害も生じ得ることから、適切な時期に適切な治療介入が必要な疾患である.この観点から③深部脳刺激療法がどうしてジストニアに有効性を示すのか、同時に、深部脳刺激療法からジストニアの成因が理解できるか、について最新の知見を学習する.また、診断、治療ともに苦慮し、かつ、難渋する機能性(心因性)ジストニアについても適切な診断法、介入法について共に論じたい.
[対象] 上級:神経内科専門医

EC-14

テーマ:脳梗塞治療の進歩とCOVID-19時代の急性期対応
ねらい:脳梗塞に関する病態解明、新たな治療法の登場や治療技術の進歩には目覚ましいものがあります。これらの知見をアップデートしておくことで、個々の治療成績向上が期待されます。一方で、コロナ禍の中、脳卒中急性期対応は大きく様変わりせざるを得ませんでした。しかも状況は地域、施設ごとに異なると考えられます。COVID-19時代の脳梗塞急性期対応について、各施設で指揮を執っておられる先生方にご講演いただき、今後の参考にしていただきたいと思います。また幸いにもCOVID-19収束していた場合には、今回のパンデミックを総括し、次のパンデミックに対する教訓をまとめる機会にしたいと思います。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-15

テーマ:脳神経内科医も知っておくべき臨床研究に関連する各種規制
ねらい:神経難病の領域でも、自ら得た基礎研究の成果を臨床研究へと応用する、いわゆるトランスレーショなるリサーチが盛んになり、臨床に関わる医師のみでならず、すべての医師にとって、臨床研究に関連する様々な決まりを理解することは必須となっている。一方で、医学部では、学部教育においても、また大学院教育においても、臨床研究の推進に関係する各種規制を体系的に教育するシステムを持つ研究機関はほとんどないのが現状である。本教育講演では、臨床研究を立案・実施するために必要な規制等について、その最新の動向も含めて各分野のエキスパートの先生方にわかりやすく解説していただく。将来自分の基礎研究成果を臨床応用しようと考えている先生も含めて、すべての先生方に本コースを、臨床研究の第一歩として活用いただきたい。
[対象] 初級~上級

5月20日(金)13:45~15:45

EC-16

テーマ:片頭痛治療を極める
ねらい:2021年に登場した抗CGRP関連抗体薬は、片頭痛診療に新たなページを彩ることとなりました.
本教育コースでは、主として片頭痛における各治療の現状と課題や今後登場が期待される治療法について理解を深め、患者さんにより適した治療を少しでも多く届けられるよう解説していただきます.
[対象] 初級~上級

EC-17

テーマ:慢性てんかんとcritical careの脳波の相違、特徴、判読のケーススタディー制
ねらい:機器の進歩に伴い、難治てんかんのビデオ脳波モニターだけでなく、critical careの急性脳病態での脳波持続モニターが広く施行可能となり、特に後者では従前の急性症候性発作・重積にも新たな知見が明らかとなってきた。急性意識障害・急性症候性発作の脳波と、慢性難治てんかんの脳波では、多くの共通点以外に相違点も多く、急性脳病態では神経細胞とグリアの障害の程度の違い、脳虚血・代謝障害の並存など、慢性難治てんかんと比較した病態の違いが脳波所見をより複雑にしている。本コースでは、1)慢性てんかんとcritical careの脳波の特徴と判読の違いを明らかにして、2)一般臨床での脳波判読の結果を病因病態に応じて、適切に診断治療に反映させることができることを目的とし、3)概論に引き続き、ケーススタディー形式で両者の判読の実際を症例検討方式で提示して理解を深める。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-18

テーマ:運動失調ってなんだろう これで運動失調を克服しよう
ねらい:麻痺や、筋力低下と違って、運動失調は、一言で言うのが難しい症状です。その診察方法は有名で、診察範囲も広汎です。しかし、それぞれの診察の方法や、その判断に困ることはありませんか?また、それぞれの所見は、小脳や、体の感覚の何を見ているのでしょうか?そもそも小脳は何をしているのでしょう。本教育講演では、運動失調症状の診察方法をもう一度学び直し、その背景にある、病理変化、生理学的意味と繋げることを目的にしています。小脳性と、それ以外の運動失調症状の背景疾患や、診察の仕方をもう一度、学んでもらいます。そして、運動失調に関わる神経系、病理について、最新の知識を、わかる言葉で伝えます。初級者を対象としますが、専門医ももう一度学び直すことで、目からウロコの事があるはずです。知っているようで、奥が深く、そして、知っているとためになる運動失調について、もう一度勉強してみませんか?
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

5月21日(土)8:00~10:00

EC-19

テーマ:脳死判定・臓器移植について学ぼう、語ろう
ねらい:法的脳死判定への日本の脳神経内科医の関与はまだまだ少ないと推測される。脳死判定医としての責務を果たすためには、脳死判定のプロセスを理解し、脳幹反射を含む判定の実技を確実に行えることが要求される。特に後者は神経症候学の専門家である脳神経内科医に最も期待されている役割である。日本臓器移植ネットワーク(後援)ご提供の法的脳死判定実演のe-learning動画を供覧して、参加者の皆に脳死判定の実技を修得確認していただく。また、日本の脳死下臓器移植の件数は欧米先進国のみならず、アジア諸国に比べても格段に低い。そのような現状を知り、その原因はどこにあるのか、どのような解決法が試みられているのかについて学ぶ。それらを踏まえて、脳神経内科医がどのようなスタンスでこの課題に向き合うべきなのか、そこで何ができるのかについて、参加者の皆様とディスカッションしたい。
[対象] 初級~上級

EC-20

テーマ:知っておけば良かった・・・外国人患者さんへの診療 ー国際化にむけてー
ねらい:近年日本は多国の方々が行き来するようになり、地域社会で一緒に暮らすようになってきた。医療現場でも徐々に外国人患者さんに遭遇する機会が増えており、言語のみならず習慣や宗教を念頭に診療にあたることが大切である。本コースでは外国人患者さんへの対応について、様々な分野から学び、日常診療へ生かすことを目標としている。
[対象] 初級~上級

EC-21

テーマ:知って得する脳神経超音波~脳神経内科の必須技~
ねらい:脳神経超音波検査には頸動脈エコー、経頭蓋エコー、経食道心エコー、下肢静脈エコー、神経筋エコーなどがあり、神経疾患・脳血管障害の診断には不可欠である.脳梗塞超急性期の初期対応時の血管評価、くも膜下出血後の血管攣縮の評価、血行再建術後の過灌流症候群の評価、微小栓子の評価、塞栓源不明の脳塞栓症における卵円孔開存や大動脈弓部病変の評価、疣贅の評価、DVTの評価、神経変性疾患・筋疾患の診断など活躍の場面は多い.すなわち脳神経内科医が是非とも取得したい診療技術といえる.本講演では、脳神経超音波検査のエキスパートが超音波検査の診断的準用性について概説する.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

5月21日(土)15:00~17:00

EC-22

テーマ:大成功する脳神経内科医の開業
ねらい:脳神経内科医の活動の幅を広げるために日本神経学会は臨床部門の充実も企図して臨床医部会設置準備委員会を立ち上げた。脳神経内科医の活動として開業も大きな柱であるが、その対象患者数に比して脳神経内科の開業医はまだまだ少ない。国民に「脳神経内科」の重要性に気づいてもらうためにも脳神経内科医の開業は重要な選択肢であると考えられる。今回の教育コースでは脳神経内科医の開業について、専門性(頭痛、認知症など)をどのように展開していくか、都市部と地方それぞれで成功するには何をすべきか、身体障害を持つことが多い診療科のため訪問診療をどのように実践するか、もともと親が違う診療科であることが少なくないが継承した場合どのように脳神経内科を展開していくか、経営的にやった方がいいこと避けるべきことは何か、など実践例を紹介する。
[対象] 初級~上級

EC-23

テーマ:神経遺伝・白熱教室:ゲノム医療時代に向けて身につけておくべきミニマムポイント
ねらい:遺伝子解析技術の発展により、網羅的な遺伝子解析も臨床応用されつつあるなど、日常診療において“遺伝子”に触れる機会がさらに増加することが予想されます。したがって、遺伝性神経筋疾患の病因、病態機序、診断、治療法の理解するためには、神経遺伝学の基礎知識を修得することは脳神経内科卒後研修において必須であると同時に、遺伝情報の特性(不変性・共有性・予見性)に十分配慮する必要があります。しかしながら、遺伝学的検査に伴う課題について体系的に学修する機会が少なく、診療の場で対応に苦慮することも多い現状にあります。本コースでは、ゲノム医療時代を迎えるにあたり、脳神経内科医が身につけておくべき遺伝に関するミニマムポイントや最近のホットトピックについて共有します。各課題において、受動的な講義のみならず、能動的に参加者に考えていただく機会も設けるなど、明日からの診療に役立つ内容になるよう企画致します。
[対象] 中級:神経内科専攻医(後期研修医)レベル

EC-24

テーマ:初学者のための「症候・病態」から学ぶ臨床神経学
ねらい:医学部学生教育、初期臨床研修医指導の現場で利用される医学教育モデル・コア・カリキュラムや医師臨床研修指導ガイドラインには、医師として身に付けるべき到達目標として、症候、病態、経験すべき疾病などが、幅広く提示されている.これらの症候・病態には、数多く、臨床神経学の知識、技能が必要となる内容が含まれており、臨床神経学の初学者にとっても、重要な到達目標である.本コースでは、37の症候・病態(モデルコアカリキュラム)、29の経験すべき症候(医師臨床研修指導ガイドライン)の中から、神経学に関連する項目のうち、もの忘れ、運動麻痺・筋力低下、視力障害、その他の4項目を取り上げる.本コースでは、将来の神経専門医を目指す学生.初期研修医に対話形式で、医療面接、神経診察、臨床推論の基本を身に付けて欲しい.そして、この営みを通じて、臨床神経学への興味を深めてもらうことが最大のねらいである.
[対象] 初級:医学生あるいは初期研修医

EC-07

テーマ:脳神経内科診療に役立つ『眠気の診かた』:この症例をどう診るか?
ねらい:海外の脳神経内科関連学会では、「睡眠」は脳神経内科医が学ぶべき主要なカテゴリーのひとつとして確立しています.一方日本の脳神経内科領域では、基礎研究での進歩は著しいものの、実地診療や教育を行える専門医・施設は限られています.我々提案者・講師一同は、本教育コースをとおして、毎年継続的に脳神経内科医に睡眠診療の学びの場を提供していきたいと考えています.
 第62回は「PSG」をテーマとしましたが、第63回では「眠気の診かた」にスポットを当てていきます.ナルコレプシーや睡眠時無呼吸症候群などの問診、症候学、検査のほか、患者の生活背景や発達の問題なども交え、どのように対応していくべきかを症例提示を中心として解説していきます.またコース冒頭に総論を、最後にまとめのショートレクチャーを加え、若手から専門医まですべての脳神経内科医が理解しやすいコースを計画していきます.
[対象] 初級~上級