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プログラム

教育コース「ねらい」一覧

・教育コース
5月22日(水)9:50~11:50 / 13:20~15:20
5月23日(木)7:30~ 9:30 / 15:35~17:35
5月24日(金)7:30~ 9:30 / 13:45~15:45
5月25日(土)8:00~10:00 / 15:00~17:00

教育コース

5月22日(水)9:50~11:50

EC-01

テーマ:類型診断としての認知症鑑別診断
対象レベル:初級
ねらい:認知症をきたす主な疾患は、アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭葉変性症であり、四大認知症とされている。認知症は大脳の病変によって惹起される症候群であり、それぞれの疾患は脳の障害部位に一定の傾向があり、神経心理学的症状を含めた症候も一定のパターンを呈することが多い。従って、認知症の診断には、それぞれの疾患の巣症状ないしその組み合わせに由来する特徴的な症候パターンを捉えることによって、類型診断が行われている。類型診断としての認知症診断を正確に行うためには、神経学的診察、精神症状や行動異常の観察、神経心理学的検査が重要であり、画像検査は認知症の症候の背景病態を明らかにする上で有用である。本教育コースでは、認知症の鑑別診断に有用な症候学、神経心理検査、画像検査の概要を紹介し、主要な認知症疾患の鑑別に言及する。認知症診療に興味を持つ神経内科医の積極的な参加を期待したい。

EC-02

テーマ:次世代に克服すべき脳卒中領域の難病 small vessel disease
対象レベル:初級~中級
ねらい:脳卒中の世界は血栓回収療法の花盛りで,次世代の血栓溶解薬や新たなデバイスの開発により,主幹動脈閉塞性疾患は克服されつつあるかのようだ.これに対し, small vessel diseaseも高解像度MRIやアミロイドPETといった新たな画像診断手法により,早期診断技術が進んできた.しかしその背景にはAβの血管壁への蓄積や,高血圧を主体とした血管危険因子,さらには遺伝的要因が複雑に絡み合っており,病態はまだ十分明らかにされていない.臨床的には虚血,出血,認知機能障害など種々の表現型を呈し,身体的にも精神的にも要介護の原因となる厄介な疾患である.この高齢化社会において,本疾患は克服どころか,進展予防手段も未だ研究段階である.臨床や画像からどのように診断すべきなのか,病態はどの程度解明されているのか,今後どのような研究が必要なのか.Small vessel diseaseという脳卒中領域に残された,次世代に克服すべき難病について,最新の知見を基として共に考えたい.

EC-03

テーマ:多系統萎縮症の全て
対象レベル:中級(専門医になって間もないレベル)
ねらい:多系統萎縮症(MSA)は頻度の高い代表的な神経変性疾患である。我が国においては平成26年度の旧特定疾患医療受給者証の交付数から推定して17,000人を超える患者がいる。最近の研究では皮質性小脳萎縮症と臨床診断された患者の約70%がMSA-Cであると推定されている。このことからMSAの罹患者は実際はもっと多いと考えられる。MSAの診断と診断後の医療には課題が多い。本コースでは、神経内科に関心のある研修医、専門医を目指す専攻医を中心に、MSAの臨床診断、治療と療養の指針としてのガイドラインの紹介、突然死と呼吸障害への対応における課題、画像診断、神経病理について俯瞰的に学ぶ機会とした。

5月22日(水)13:20~15:20

EC-04

テーマ:パーキンソニズムの鑑別に必要なポイントを学ぼう
対象レベル:初級~中級
ねらい:高齢化の本邦では、パーキンソン病、血管性パーキンソン症候群などのパーキンソニズムを呈する患者が増加の一途を辿っている。本教育コースでは特に初期研修医、初診で患者を診る機会が多い地域開業医を対象に、パーキンソニズムの鑑別に必要な臨床所見および検査のポイントについてレクチャーをし、日常臨床で即に役立つ知識を提供したい。高齢者では小刻み、すくみなどの歩行障害、動作緩慢で受診されることが多いため、臨床所見では歩行障害の鑑別を中心に、また2018年パーキンソン病診療ガイドラインの第1章 診断・予後に記載された、嗅覚低下、MIBG心筋シンチグラフィ、DATシンチグラフィの検査の方法、判読、鑑別について概説する。また、保険適応になっているものの高額であるMIBG、DATシンチグラフィ検査の適応、検査順など、症例を呈示し説明する。

EC-05

テーマ:ALSの医療と治療の新展開
対象レベル:すべて
ねらい:ALSは患者にとって最も過酷な脳神経内科疾患であり、また脳神経科医にとっても最も重圧のかかる疾患であるため、両者にとってその医療と治療の進展が急務である。ALSの遺伝子がほぼ解明されたいま、医療と治療の関心は分子レベルでの病態解明と新規治療法の開発、療養生活の改善である。そこで本コースでは、最もアプデートなALS医療と治療の最前線の概要を短時間で習得できるように企画した。

EC-06

対 象:医学生・初期研修医
テーマ:神経感染症の治療・診断の実際
ねらい:神経感染症の治療・診断の実際を学ぶことをメインに研修医、若手神経内科医を対象にプリオン病の診断、ヘルペス脳炎の診断・治療、他の脳神経系感染症について少数でインターラクティブに学んでもらう。

5月23日(木)7:30~9:30

EC-07

テーマ:典型像と非典型像−病理と臨床の対話ー
対象レベル:初級
ねらい:神経疾患の臨床に神経病理は極めて有用だが、本学会会員でも修得する場は乏しい。神経病理を参照項として臨床診断を見なおす教育コース「病理からみる神経変性疾患の多様性(第59回)」「病理からエキスパートの臨床診断をふりかえる(第57回)」を行い好評を博してきた。今回、アルツハイマー病、レヴィー小体病、PSP, ALSの典型例で初学者にもわかりやすい形で基本病変と臨床像を対応させ、病理に裏打ちされた典型的illness scriptをまず提示していただく。その上でどのような非典型像があり得るかも病理をふまえた上で再検討する。臨床と画像で臨床診断され、病理の裏付けが得られる機会が乏しい我が国の現状の中で、病理と臨床の対話の面白さと重要性を再確認して、臨床に活かす契機を提供したい。臨床現場にとどまりながら、病理を通してこうした理解をふかめてきた若手のエキスパートに今回演者をお願いした。

EC-08

テーマ:糖尿病性ニューロパチーにおける最新の話題
対象レベル:中級
ねらい:糖尿病性ニューロパチーは日常診療の場で遭遇する頻度の高い疾患であるが、糖尿患者の多くは糖尿病・内分泌内科が診療しており、患者数の割に神経内科医が関わる機会が少ない。しかし、糖尿病性ニューロパチーは早期から種々の感覚障害と自律神経障害をきたして患者のQOLを著しく損なうだけでなく、進行とともに運動障害も出現し、ADL低下の大きな要因となることが知られている。また、多彩な症候を呈し、腰神経叢障害のように比較的急速に進行する場合もあり、早期の診断が困難なことも多い。これらのことから、糖尿病患者に神経内科医が積極的に関わり、ニューロパチーを早期に診断して病態にあった治療を開始することが重要である。今回のシンポジウムでは糖尿病性ニューロパチーの領域に長年携わってこられた先生方にこの領域の最新の話題について講演していただく。第59回の学術大会では糖尿病性ニューロパチーに関するシンポジウム企画はなく、第60回大会でこの話題を取り上げることはタイムリーであると考える。

EC-09

テーマ:この症例の次の一手は!?
対象レベル:中級
ねらい:脳神経内科疾患の日常臨床において画像検査が果たす役割は日に日にその重要度を増しており、脳神経内科医にとって第二のハンマーともいえる欠かすことのできない存在となってきている。一方、臨床現場において診断の鑑別を進める上でさまざまな画像モダリティが存在することは、症例ごとにどの検査を施行すべきかの判断を困難にさせているという側面も否めない。医療経済学的観点も鑑みるに、網羅的にすべての検査を行うことは推奨しがたく、一人一人の臨床医は患者と対峙するごとに、ベストの選択を迫られることになる。本コースでは、仮想の患者病歴をもとに鑑別を進める上で必要な次の一手となる画像検査に関して、さまざまな立場に立って各演者に発表して頂く。個々の発表内容を踏まえて、聴衆を含めた全参加者で総合討論を行い、実臨床現場における画像検査の現実的かつ合理的な選択法について考察をすることが本教育コースの目的である。

5月23日(木)15:35~17:35

EC-10

テーマ:神経疾患の遺伝カウンセリング ―神経内科診療に必須のコミュニケーション・スキル―
対象レベル:初級
ねらい:遺伝性神経疾患に対しては、依然として患者・家族への負担は大きいものの、核酸医薬、臓器移植、酵素補充療法など、さまざまな治療法が実用化されてきた。しかし一方で、遺伝学的診断が治療に直結しない疾患もまだまだ多い。診断、治療法の選択においては遺伝カウンセリングが必須であるが、有効な治療法の有無により、遺伝カウンセリングのあり方は異なる。遺伝情報は家系内で共有され、診断結果が発端者以外の血縁者の将来設計にも影響を及ぼし得るために、実際の診療現場では、患者の遺伝情報を誰に、いつ、どのように伝えるかに関して悩む場面にも遭遇する。また、世代、あるいは施設を超えた遺伝情報の保管や共有も今後の大きな課題である。本教育コースでは実際に遭遇する頻度の高い遺伝性神経疾患を教材にして、認定遺伝カウンセラーを含む少人数でのグループ討論、ロールプレイを通して神経疾患の遺伝カウンセリングのあり方を考える機会にしたい。

EC-11

テーマ:代謝欠乏症による神経学
対象レベル:中級程度
ねらい:代謝性疾患では遺伝子異常による酵素・タンパク質の異常などで中間代謝物質が蓄積する、あるいは微量金属などが過剰に蓄積して神経症状をきたすことが多い。現代社会は栄養状態がよく、様々な代謝系における基質の欠乏が起き難くなっており、欠乏性神経疾患の報告は少ない。しかし、アルコール依存症、過度なダイエット、極端な偏食、薬物の乱用、消化器疾患による吸収不良などの特殊な状況下では、稀ではあるが代謝性の欠乏症が起こりうる。今回は神経症状をきたす欠乏症に焦点を当て、その臨床徴候、発症メカニズムを知り、日常診療に役立てることを目的とした。

EC-12

対 象:医学生・初期研修医
テーマ:どれを使うべきか? いろいろある中枢性めまいの鑑別方法
ねらい:めまい診療では,中枢性めまいをいち早く鑑別することが重要であり,簡易な鑑別法が既に複数提唱されている.しかしながら,それぞれの方法の特徴や長所短所がわからないため,積極的な導入に踏み切れない場合が多い.本コースでは,こうした鑑別方法のいくつかを実際に使用している講師が紹介し,それぞれの特徴や長所短所をインタラクティブにディスカッションすることで,最終的に受講者それぞれが,自身のおかれた臨床現場に最も適する方法を選択し,長所短所を知ったうえで使用できるようになることを目的とする.こうした比較検討により,各鑑別方法に共通する特徴が浮かび上がるため,めまいの鑑別診断の本質も身に付くことになる.前半はめまいの基礎知識の復習を行い(眼球運動障害を含め30分程度),後半は3名の講師がそれぞれ異なる鑑別方法を簡単に紹介し(各20分程度),最後に総合討論とする(30分程度).参加者全員に討論の前後で3つの鑑別方法のうちどの方法が自分にとって好ましいかを選んでもらうことで,参加型のシンポジウムの形式とする.

5月24日(金)7:30~9:30

EC-13

テーマ:成功する医師主導治験:つまづきやすいポイントを確実に乗り越えろ!
対象レベル:すべて
ねらい:脳神経内科領域において、医師主導治験が活性化しつつある。しかし、医師主導治験に成功し、現場に確実に医薬品を届けるためには、多くのピットフォールが存在する。それらのピットフォールを確実に克服するために、基礎実験の段階から、臨床試験を思いついた段階から、準備できることが実は数多く存在する。医師主導の医薬品開発のエキスパートから、様々な「つまづきやすいポイントとその対策」をレクチャー頂くことにより、脳神経内科領域の医薬品開発を迅速化・確実化することを目的とする。

EC-14

テーマ:神経疾患における終末期の医療、ケアを考える
対象レベル:初級~中級
ねらい:終末期医療、緩和ケアは多くの神経疾患において治療、介護場面でいづれ直面する。緩和ケアは患者、家族のより良きQOLを目指す対応である。癌のように終末期の時期、期間がある程度予測できる疾患と異なり、慢性経過をとる神経疾患では診断以後全経過を通しての対応が緩和ケアと重なる。ALS、認知症、パーキンソン病などの疾患では診療ガイドラインで対処法が示唆されているが、エビデンスが乏しいなか、多くの記述は概念的領域に留まる。本シンポジウムでは神経疾患の終末期医療、ケアに関連する最新の知識、考え方、医師に求められる姿勢、各種ガイドラインにおけるポイントを提示、議論する。これらの作業を通して参加者が持つ漠然とした概念を、生きた叡智に変えることを目指すとともに、より良き対応について模索する。

EC-15

テーマ:運動ニューロン疾患との鑑別が重要な頚椎症の診療
対象レベル:中級
ねらい:ALSやSMAの治療法が開発が進むに従い、頚椎症との鑑別が重要になってきた。運動ニューロン病に頚椎症の合併は少なくないものの、必要もない手術の適用は運動ニューロン病の進行を進めるリスクがある。頚椎症の診断は整形外科医が担うことが多いが、脳神経内科医が果たすべき役割について議論する。

5月24日(金)13:45~15:45

EC-16

テーマ:神経難病患者の呼吸ケア・アルゴリズムを確認する
対象レベル:すべて
ねらい:神経難病では呼吸障害が起こることが多い。呼吸ケアを合理的に実施するには、導入のタイミングを知り、どんな順番で実施していけばいいかを知ることの意義は大きい。医師であれば、機器設定のコツも知りたい。そこで、神経難病の呼吸障害にスムーズに対処できるように知識を整理したり、議論をすることで学ぶ。

EC-17

テーマ:知ってて・知らない・神経診察の基本と歴史
対象レベル:すべて
ねらい:脳神経内科の診療の第一歩はアナムネと診察である。どうしてそんな診察をするのかと言う診察法の基本には、正常行動の生理学的基盤がある。正常生理の知識無しに、教えられた診察方法だけを行っているのは、ガイドラインの言う通り診療している診療と同じである。一方で、神経診察は,先人たちの鋭い洞察と豊富な臨床経験を礎としたもので,それぞれの診察法がどのように確立されてきたかを知る人は少ない.医学で歴史を学ぶ事の大切さもある。本公演では、これらの両面を実感できるよう、腱反射などの基本的診察と高次脳機能の二つのテーマについて企画した。各神経診察法が,どのようにして発見,報告され,確立あるいは変化してきたかの歴史を踏まえエキスパートの先生方に解説いただくとともに、診察法の基盤となる正常生理を交えて、どうしてこのような診察をするのかを解説いただく。本講演の後、明日から神経診察が10倍楽しくなることを保証する。

EC-18

テーマ:頭痛診療で頭を痛めないためのお作法
対 象:医学生・初期研修医
ねらい:頭痛は,めまい・しびれとともに,脳神経内科外来で遭遇する3大主訴のひとつである.誰もが一度は経験したことがある頭痛だが,実際の診療ではどのようにしたら良いのか苦慮することも少なくない.本コースでは,まず,一次性頭痛の中で最も受診者の多い片頭痛について,その診断法とともに,患者さんのライフスタイルやライフ・ステージ,有している危険因子に配慮した診療の進め方を解説して頂く.次に慢性化した頭痛,とりわけ慢性片頭痛と慢性緊張型頭痛について,その鑑別診断や対処法,留意点について解説して頂く.3番目に薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛,MOH)の診断や対応法について解説して頂く.最後に雷鳴頭痛の原因となるRCVSと,本来重症であるはずなのに直接来院されるWalk-in SAHについて,それぞれの診療の極意について解説して頂く.講演を聞かれた先生が頭を痛めることなく頭痛診療にあたって頂けるようになることが本コースの目標である.

5月25日(土)8:00~10:00

EC-19

テーマ:アクセプトされる論文の書き方のコツ
対象レベル:すべて
ねらい:初学者にとって論文執筆はなかなかハードルが高い作業である。特に英文論文を執筆するにあたっては、どのようにアプローチしていいか具体的な方策に迷うことが多い。このテーマで4名の先輩に種々のカテゴリーの論文の書き方ご指導いただく。まず、研究成果を世に問うための論文の書き方について学習する。次に、臨床の現場で見出した課題を臨床研究として発展させ、最終的にその成果を論文化する症例報告の作成手順について学習する。査読された論文の改訂方法には修練が必要である。査読者の指摘に対する反論は理路整然としていなければならない。このrebuttalの方法・記述の仕方について学習する。総説は解説や教科書とは異なることを知ることが重要である。特に多くの論文に引用される総説は「名著」として後世に残ることが多い。この引用される論文の書き方を学習する。
以上の邦文および英文による論文の書き方について、4名の講師にご指導頂く。

EC-20

テーマ:ヒステリー(変換症)の神経学
対象レベル:すべて
ねらい:2013年に精神科における病名分類の基本であるDSM-5が改訂され、ヒステリー(変換症、転換性障害)の診断基準において、心理的ストレス要因の証明が不要となり、神経学的に説明できない症候、即ち陽性徴候の存在だけでヒステリーが診断できることになった。これはヒステリー診断が脳神経内科医の手に完全に委ねられたことを意味する最重要の変更である。当学会学術大会でヒステリーが取り上げられることは従来は全くなかったが、2016年、2018年と教育コースが行われた。しかし参加者は限られており、この局面において脳神経内科医がヒステリー診療について熟知することはたいへん重要と考えたため、連続ではあるが教育コースを企画した。このセミナー参加者は、ヒステリー性の運動麻痺、不随意運動、PNES、ヒステリーと間違われやすい器質疾患、脳神経内科医によるヒステリーの治療まで、ヒステリーの診断と治療について幅広く知識をレベルアップすることが期待できる。

EC-21

テーマ:脳卒中診療最新の現場
対 象:医学生・初期研修医
ねらい:欧米の脳卒中治療ガイドラインが年々と改定される中,日本も負けじと新しいエビデンスに基づき脳卒中治療ガイドラインの改定を行なっている.脳梗塞の画像検査では灌流画像によるミスマッチ評価が全盛であり,治療に関しては血管内治療のエビデンスが発症24時間以内にまで拡大された.またPOINT試験の結果からDAPT療法に対して一定のエビデンスが確立された.DOACに関しても今一度整理する必要がある.リハビリテーションに関してはロボテックを使用した試験が盛んであり,世界的なエビデンスが期待されている.このように日進月歩の脳卒中診療を最前線にいる講師陣が医学生/初期研修医向けに情報発信し,最新の脳卒中診療に触れる機会を設けたい.

5月25日(土)15:00~17:00

EC-22

テーマ:頭痛を深める-共存症/併存症から考える片頭痛の病態と臨床対応
対象レベル:中級
ねらい:片頭痛に対する治療薬の選択肢は増えてきたが十分とはいえない.そのようなときに共存症/併存症への治療が片頭痛に功を奏することも経験する.本教育コースでは,共存症/併存症として5つの病態が片頭痛とどのような関係にあるのか,あるいは病態にどう影響しているのか,治療方針を立てる上で留意すべき点などをエキスパートの先生に解説して頂く.

  1. 1)月経異常で女性診療科を併診する場合,および妊娠・出産・授乳時の対応
  2. 2)てんかん患者に認められる頭痛への対応,および片頭痛との関連性
  3. 3)睡眠障害を伴う患者における頭痛,および片頭痛との関連性
  4. 4)脳血管障害およびその関連危険因子(RCVSを含めて)と片頭痛との関連性やその対応
  5. 5)PFOなどの心疾患およびカテーテル検査などと片頭痛との関連性

EC-23

テーマ:医者の思いと患者の思い よりよき相互理解のために 筋強直性ジストロフィー
対象レベル:初級
ねらい:筋強直性ジストロフィーは多臓器疾患で、集学的な医療管理が重要である。しかし、医療コンプライアンスの低さや標準的医療が未確立で生命予後の改善が乏しい現実がある。一因として、中枢神経障害の存在や、医療者が重要と考える医療課題と患者が苦痛を感じている問題にズレがあることが挙げられる。最近、欧米での多施設研究で認知行動療法の有効性も報告されている。よりよい医者・患者関係を構築し、生命予後の改善と生活の質向上に寄与する医療提供には、患者の苦痛を理解すること、心理的ケアも重要と思われる。本コースでは、疾患の特性や認知行動療法について報告すると共に、患者さま自身にご参加いただき、医療の中で感じている問題や適切な対応について共に考えたい。

EC-24

テーマ:医学生・初期研修医のための神経診察実習―神経診察を学ぼう―
対 象:医学生・初期研修医
ねらい:参加型臨床実習におけるstudent doctorあるいは初期研修医として,最低限,身に付けておくべき神経診察の基本を学ぶ.数名程度の小グループを習熟度別(臨床実習前学生,臨床実習後学生,初期研修医)に分けて,ハンズオンかつインタラクティブに教える.