短報
進行性核上性麻痺および特発性正常圧水頭症の合併例の臨床的特徴とシャント術の効果
山原 直紀, 吉倉 延亮, 下畑 享良＊
岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野
進行性核上性麻痺（progressive supranuclear palsy，以下PSPと略記）と特発性正常圧水頭症（idiopathic normal pressure hydrocephalus，以下iNPHと略記）の合併例13例を後方視的に検討した．全例PSP-Richardson's syndrome（PSP-RS）で，シャント術は5/11例（45.5％）で有効であった．シャント術が有効な5例とその他6例では，脳血流SPECTの前頭葉血流低下に有意差を認めた（P = 0.018）．以上よりPSPとiNPHの合併例はPSP-RSが多く，シャント術の効果予測における脳血流SPECTの有効性が示唆された．
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(臨床神経, 64：113−116, 2024)
key words：進行性核上性麻痺，特発性正常圧水頭症，シャント術，脳血流SPECT
（受付日：2023年8月30日）
