症例報告
小脳・両側大脳に多発する微小な脳梗塞をきたし，脳生検でアミロイドアンギオパチーと診断した1例
川瀬 崇広1）, 竹内 有子1）2）＊, 本田 大祐1）, 馬渕 直紀1）
＊Corresponding author: 名古屋掖済会病院（〒454-8502 愛知県名古屋市中川区松年町4丁目66）
1) 名古屋掖済会病院脳神経内科
2) 増子記念病院脳神経内科
症例は82歳女性．1ヶ月の経過で物忘れ，異常言動が進行し，頭部MRIで小脳，両側大脳皮質/皮質下白質に散在する微小な脳梗塞を認めた．経過中，皮質下出血を起こし，微小な脳梗塞も経時的に増加した．中枢原発性血管炎や悪性リンパ腫を疑い，右側頭葉出血部位をターゲットに脳生検を施行し，cerebral amyloid angiopathy（CAA）と診断した．CAAは進行性の多発する微小な脳梗塞の原因となりうる．
Full Text of this Article in Japanese PDF (4154K)
(臨床神経, 63：456−460, 2023)
key words：アミロイドアンギオパチー，脳生検，amyloid β-related angiitis（ABRA），脳梗塞，脳出血
（受付日：2023年2月8日）
