臨床神経学

依頼総説

炎症性脱髄疾患の基本的な画像所見及び最新の知見

立川 裕之1), 三木 幸雄1)*

Corresponding author: 大阪公立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR 学〔〒545-8585 大阪市阿倍野区旭町1-4-3〕
1) 大阪公立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR 学

中枢神経性の脱髄疾患におけるMRI検査は大きく分けて,診断,イメージングバイオマーカー,治療薬による副作用の早期発見の三つの役割がある.脱髄疾患は疾患によって病変の部位・大きさ・形状・分布・信号強度・造影パターンが異なるため,画像所見を注意深く把握し鑑別診断や活動性の評価を行う必要がある.また,軽微な神経学的所見と非特異的な脳病変から脱髄疾患と誤診されてしまう場合や,副作用の画像所見が通常とは異なる場合があるため典型的な画像だけでなく,非典型画像所見についても熟知しておく必要がある.本稿では画像検査の役割と脱髄疾患における画像所見の特徴,最近の知見について概説する.
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(臨床神経, 63:425−432, 2023)
key words:多発性硬化症,視神経脊髄炎関連疾患,MOG抗体関連疾患,急性散在性脳脊髄炎

(受付日:2023年3月10日)