臨床神経学

症例報告

内耳道内に原発した悪性リンパ腫の1例

峠 理絵1)* , 岩瀬 正顕2), 近藤 誉之1)

1)関西医科大学総合医療センター脳神経内科
2)関西医科大学総合医療センター脳神経外科

61歳男性.歩行時のふらつきと難聴で発症した.当初は突発性難聴と診断されていた.発症3ヶ月後のMRIにて異常を認めたが,経過観察となっていた.発症7ヶ月後,味覚障害,右顔面神経麻痺と右下顎の疼痛,右側頭部痛や小脳失調が次々に出現した.髄液検査にて単核球優位の細胞数増多,蛋白上昇,糖低下,soluble interleukin-2 receptor(sIL-2R)上昇を認めた.MRIでは右内耳道から中小脳脚に造影増強効果を伴った腫脹性病変が検出され,ガリウムシンチグラフィーでは同部位にガリウムが集積した.腫瘍摘出時,病理学的に中枢性原発悪性リンパ腫と診断した.聴神経鞘腫との鑑別には,MRI所見,ガリウムシンチグラフィー,髄液sIL-2Rの上昇が有用であった.
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(臨床神経, 64:349−355, 2024)
key words:悪性リンパ腫,内耳道腫瘍,突発性難聴,聴神経鞘腫

(受付日:2023年10月26日)