臨床神経学

症例報告

癒合した舌骨・甲状軟骨による機械的刺激で脳梗塞の再発を繰り返した内頸動脈狭窄症の1例

忽那 史也1)*, 川原 一郎2), 田中 藤信3), 定方 英作2), 原口 渉2), 岩永 洋1)

Corresponding author: 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科〔〒856-0835 長崎県大村市久原2丁目1001-1〕
1) 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経内科
2) 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター脳神経外科
3) 独立行政法人国立病院機構長崎医療センター耳鼻咽喉科

症例は78歳男性.73歳時に舌骨と甲状軟骨による機械的刺激に伴う右内頸動脈狭窄症と診断され,頸動脈ステント留置術が行なわれた.78歳時に脳梗塞を再発し,3D-CTAで頸動脈ステントの再狭窄を認めた.再発予防のために舌骨と甲状軟骨の部分切除を行い,再度頸動脈ステント留置術を行った.治療により内頸動脈走行の偏位が軽減され,ステント内の狭窄も改善が得られた.舌骨や甲状軟骨による機械的刺激が関与した内頸動脈狭窄症では治療後に再狭窄する可能性があり,安易に頸動脈ステント留置術を選択するのではなく,舌骨と甲状軟骨の部分切除も含めて治療方針を検討する必要がある.
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(臨床神経, 63:369−374, 2023)
key words:頸動脈ステント留置術,甲状軟骨,舌骨,内頸動脈狭窄症,脳梗塞

(受付日:2023年2月22日)