臨床神経学

原著

日本におけるパーキンソン病患者のホーン・ヤール重症度別直接医療費:
医療情報データベースを用いた分析

馬塲 健次1), 直井 一郎1), 柴原 秀俊2), 井上 幸恵2), 相野 博司1)*

Corresponding author: 住友ファーマ株式会社〔〒104-8356 東京都中央区京橋1-13-1〕
 〔※2022年8月18日から:〒103-6012 東京都中央区日本橋2丁目7-1〕
1) 住友ファーマ株式会社
2) クレコンメディカルアセスメント株式会社

本邦でのパーキンソン病(Parkinson's disease,以下PDと略記)治療に関連する医療費の実態把握を目的とし,大規模な病院ベースの診療報酬明細書データを用いて,ホーン・ヤール(Hoehn and Yahr,以下HYと略記)重症度別のPD関連医療費を評価した.2008年4月から2018年12月の間にPDの診断があり,傷病名にHY重症度が付与されている患者約2万人を対象とした.HY重症度が高い患者ほど外来医療費は高く,同時に入院回数や入院日数が多く,入院医療費も高い傾向がみられた.本研究にはHY重症度の信頼性が確認されていないなどの限界があるものの,PD患者の医療費について大規模データベースを用いて評価したものであり,費用対効果研究等の基礎的データとしても有用と考えられる.
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(臨床神経, 62:524−531, 2022)
key words:パーキンソン病,ホーン・ヤール,レセプトデータ,医療費

(受付日:2021年9月29日)