臨床神経学

症例報告

子宮内膜原発大細胞神経内分泌癌に関連する抗Hu抗体陽性の傍腫瘍性sensory neuronopathyの1例

加藤 里奈1), 青山 尚史1), 水谷 真之1)*, 蕨 雅大2), 笠松 高弘3), 藤ヶ崎 浩人1)

Corresponding author: 都立墨東病院内科〔〒130-8575 東京都墨田区江東橋4-23-15〕
1) 都立墨東病院内科
2) 都立墨東病院検査科
3) 都立墨東病院産婦人科

症例は81歳女性.入院7か月前に子宮内膜原発大細胞神経内分泌癌(large cell neuroendocrine carcinoma; LCNEC)のため子宮全摘術および両側付属器切除術が施行された.入院3か月前より亜急性に四肢末梢優位の異常感覚と歩行困難が出現し当科を受診した.四肢の異常感覚,下肢振動覚低下,腱反射消失,自律神経障害を呈し,神経伝導検査で感覚神経の活動電位は導出されなかった.CTで骨盤内多発リンパ節腫大を認め,術後低下していたneuron specific enolase(NSE)の再上昇と合わせてLCNECの術後再発に伴う傍腫瘍性sensory neuronopathyと診断した.抗Hu抗体陽性の稀な1例であり報告する.
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(臨床神経, 60:441−445, 2020)
key words:傍腫瘍性神経症候群,抗Hu抗体,子宮内膜原発大細胞神経内分泌癌,感覚性ニューロノパチー

(受付日:2019年11月4日)