臨床神経学

総説

Parkinson disease and its look a like―鑑別のための神経症候

下 泰司1)*, 服部 信孝2)

Corresponding author: 順天堂大学医学部付属練馬病院脳神経内科〔〒117-8521 東京都練馬区高野台3-1-10〕
1) 順天堂大学医学部附属練馬病院脳神経内科
2) 順天堂大学医学部脳神経内科

パーキンソン病(Parkinson's disease,以下PDと略記)を診断する際には,様々な手法で他の疾患を除外する必要があるが,臨床症状からだけでは鑑別が困難であることが知られており,画像検査や,薬物に対する反応を見ることでようやく診断がつくことが多い.しかし,近年,特に,PD,進行性核上性麻痺,多系統萎縮症の鑑別に役立つさまざまな神経症候が報告されてきている.丁寧に神経学的診察を行うことで,これらの症候を観察すれば,ある程度疾患の鑑別が可能である.現在は画像診断も発展しており,さらに今後AIを用いた診断も検討されているが,今後も系統的な神経学的診察が,これらの疾患を診断するうえでは重要である.
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(臨床神経, 60:815−821, 2020)
key words:パーキンソン病,パーキンソン症候群

(受付日:2020年4月3日)