臨床神経学

総説

パーキンソン病に対する多能性幹細胞を用いた細胞移植治療の現状

森実 飛鳥1)*

Corresponding author: 京都大学iPS 細胞研究所CiRA 臨床応用研究部門神経再生研究分野〔〒606-8507 京都市左京区聖護院川原町53〕
1)京都大学iPS 細胞研究所CiRA 臨床応用研究部門神経再生研究分野

パーキンソン病に対する細胞移植治療は中絶胎児をドナーソースとして行われた歴史がある.症例を適切に選べば効果があることが示されている.この歴史を踏まえ,幹細胞技術の進歩により,ES細胞およびiPS細胞をドナーソースとした細胞移植治療の臨床試験が世界中で始まりつつある.本邦でも2018年より医師主導治験が始まった.この治験ではiPS細胞ストックで準備された株を用い,他家移植を行う.本稿では手術適応,移植術の方法,リスク,海外の現状などを紹介する.
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(臨床神経, 59:119−124, 2019)
key words:iPS細胞,パーキンソン,細胞移植,治験

(受付日:2018年9月29日)