臨床神経学

短報

反復経頭蓋磁気刺激治療が誘因と考えられた可逆性脳血管攣縮症候群の1例

佐藤 万美子1)*, 山手 康司1), 林 広美1), 三浦 豊章1), 小林 康孝1)

Corresponding author: 福井総合病院リハビリテーション科〔〒910-8561 福井市江上町58-16-1〕
1)福井総合病院リハビリテーション科

症例は75歳男性である.脳梗塞後の右上肢麻痺に対し,反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation; rTMS)及び集中的作業療法目的に入院した.5日目のrTMS後より,突発する強い頭痛に引き続き,血圧低下と右片麻痺の一過性増悪をきたし,頭部MRAにて可逆性血管攣縮所見を認め,可逆性脳血管攣縮症候群と診断した.rTMS治療は比較的安全とされ,脳卒中リハビリテーション(以下リハ)への応用が期待されているが,有害事象の可能性も念頭におき慎重に治療を行う必要があると考えられた.
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(臨床神経, 57:451−453, 2017)
key words:反復経頭蓋磁気刺激,可逆性脳血管攣縮症候群,頭痛,血管迷走神経反射

(受付日:2016年4月21日)