臨床神経学

原著

インターフェロンβ-1a筋注用製剤の日本における使用成績調査による安全性及び有効性の検討

牧岡 大器1)*, 中谷 経雪1), Yan Ling1), 鳥居 慎一1), 斎田 孝彦2)3), 吉良 潤一4)

Corresponding author: バイオジェン・ジャパン株式会社〔〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目4 番1号 日本橋一丁目三井ビルディング14階〕
1)バイオジェン・ジャパン株式会社
2)関西多発性硬化症センター
3)京都民医連中央病院
4)九州大学大学院医学研究院神経内科学

日本の実臨床下でのインターフェロンβ-1a 筋注用製剤の安全性と有効性検討のため,2006年11月から2010年12月までに登録された本剤投与例全例を対象に観察期間2年の使用成績調査を実施した.全国397施設より調査票が回収され,安全性は1,476例,有効性は1,441例を評価した.安全性評価の86.3%は再発寛解型多発性硬化症であった.主な副作用は発熱(19.24%),重篤な副作用は多発性硬化症の再発26件,肝機能異常10件であった.有効性検討では,年間再発率は1.07から0.29,総合障害度は3.08から2.94と改善した(各P<0.001).安全性と有効性プロファイルは既報と同様であった.
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(臨床神経, 57:553−561, 2017)
key words:インターフェロンβ-1a,多発性硬化症,使用成績調査,副作用,有効性

(受付日:2017年6月14日)