臨床神経学

症例報告

発症前に多彩な脳アミロイドアンギオパチー関連MRI所見が描出されていたアルツハイマー病合併脳葉型出血の1例

野中 俊宏1), 藥師寺 祐介1)*, 井手 俊宏1), 伊藤 寛2), 河本 和裕1), 原 英夫1)

Corresponding author: 佐賀大学医学部内科学講座神経内科〔〒849-8501 佐賀市鍋島5丁目1-1〕
1)佐賀大学医学部内科学講座神経内科
2)佐賀大学医学部内科学講座脳神経外科

症例は未加療の高血圧があった85歳女性である.脳葉型出血を発症し,救命目的で開頭血腫除去術が施行された.血腫の病理標本で脳アミロイドアンギオパチーと診断された.1ヶ月前に近医でアルツハイマー病と診断された際の脳MRIでは,脳アミロイドアンギオパチーに関連する所見,すなわち“脳表現局型微小脳出血”,“脳表ヘモジデリン沈着”,“半卵円中心周囲の重度拡大血管周囲腔”が見られていた.認知症診療においてアルツハイマー病患者の心血管リスク管理を考慮する上で,これらの所見を包括的に捉えることが有用かもしれない.
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(臨床神経, 56:338−343, 2016)
key words:脳アミロイドアンギオパチー,MRI,微小脳出血,脳表ヘモジデリン沈着,拡大血管周囲腔

(受付日:2015年12月25日)