臨床神経学

<Super Expert Session 01-5> 脳梗塞急性期診療における脳血管内治療と神経内科医の役割

九州大学神経内教室内での新入局者における脳卒中診療の志向変化

松本 省二1)2)

1)小倉記念病院脳卒中センター脳神経外科〔〒802-8555 福岡県北九州市小倉北区浅野3-2-1〕
2)九州大学神経内科

大学の神経内科教室の1例として,九州大学神経内科新入局者の中での脳卒中診療,脳血管内治療志向者の変化の分析(過去19年分)と人材教育プロセスを報告する.著者の所属する九州大学神経内科での過去19年119名の入局者中で脳血管障害を志向したものは14(12%)であった.その中で脳血管内治療の手技まで習得したいと希望した者は11人(9%)であった.しかし,昨年度(H25年度)の新入局者は7人中4人が,専門領域として脳血管障害を希望に挙げており,その4人全員が脳血管内治療の研修も希望している.近年目覚ましい脳血管内治療の進歩が,若い神経内科医の志向に影響をおよぼしている可能性がある.その気持をできるだけ維持し,脳卒中・脳血管内治療専門医として成長していけるようなシステムが全国の大学や脳卒中基幹病院に整備されていくことが必要と思われる.
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(臨床神経, 54:1211−1213, 2014)
key words:脳卒中,脳血管内治療,神経内科医

(受付日:2014年5月23日)