臨床神経学

<Symposium 06-1> 神経感染症における日本からの新たな発信

細菌性髄膜炎の診療ガイドラインの改訂

石川 晴美1), 亀井 聡1)

1)日本大学医学部内科学系神経内科学分野〔〒173-8610 東京都板橋区大谷口上町30-1〕

細菌性髄膜炎診療における最重要課題は転帰改善である.その改善を目的として2007年に作成された細菌性髄膜炎診療ガイドラインの改訂作業がおこなわれた.初期診療では,患者の年齢や背景,その地域の起炎菌耐性化率に適した十分量の抗菌薬を迅速に開始する必要がある.改訂ガイドラインでは,本邦の年齢階層別主要起炎菌分布と耐性菌頻度,患者のリスク因子に適した抗菌薬が推奨されている.細菌性髄膜炎は,初期診療が患者の転帰に大きく影響するため,緊急対応を要する疾患(medical emergency)であり,早期診断と最適な治療こそが転帰改善のために重要である.細菌性髄膜炎診療ガイドライン2014について解説をおこなう.
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(臨床神経, 54:1021−1023, 2014)
key words:細菌性髄膜炎,ガイドライン

(受付日:2014年5月21日)