臨床神経学

症例報告

IgG4高値のチャーグ・ストラウス症候群の1例―治療とIgG4の関連

秋山 拓也1), 田代 研之1), 山本 明史1)*

Corresponding author: 九州厚生年金病院〔〒806-8501 福岡県北九州市八幡西区岸の浦1-8-1〕
1)九州厚生年金病院

症例は57歳女性である.アレルギー性鼻炎,喘息の既往があり,ロイコトリエン受容体拮抗薬投与開始約1ヵ月後から両下肢脱力,両下肢疼痛を自覚した.好酸球上昇,神経伝導検査で多発単神経炎をみとめチャーグ・ストラウス症候群(CSS)と診断した.IgG4 594 mg/dl,胆道系酵素上昇をみとめた.ステロイドパルス療法,免疫グロブリン大量療法によりCSSの病勢を抑制し,症候,好酸球,胆道系酵素,IgG4の改善をみとめた.CSSに合併する胆道系酵素上昇は従来胆管の好酸球性肉芽腫由来と考えられていたがIgG4関連硬化性胆管炎の可能性もあると考えられた.
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(臨床神経, 53:131−135, 2013)
key words:チャーグ・ストラウス症候群,IgG4,アレルギー,好酸球,末梢性ニューロパチー

(受付日:2012年5月23日)