臨床神経学

<教育講演(3)―1>

神経内科医に必要な脳深部刺激療法に関する最新知識

梅村 淳1), 大山 彦光2), 下 泰司1)2), 服部 信孝2)

1)順天堂大学運動障害疾患病態研究・治療講座〔〒113-8421 東京都文京区本郷2-1-1〕
2)順天堂大学脳神経内科

近年種々の運動障害疾患に対して脳深部刺激療法(DBS)が行われている.パーキンソン病(PD)には視床下核(STN)または淡蒼球内節(GPi)のDBSが行われ,その有効性や長期成績が示されている.DBSはPDの全般的な運動症状を改善し,STN刺激ではドパミン作動性薬剤が大幅に減量できる.DBSと薬物治療との併用でより長期的な症状の進行に対処可能となる.難治性振戦には視床Vim核のDBSが行われるが,最近posterior subthalamic area(PSA)も注目されている.また全身性ジストニアにはGPi DBSが有効である.薬物で症状改善が困難な運動障害疾患に対してDBSを検討すべきである.
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(臨床神経, 53:911−914, 2013)
key words:脳深部刺激療法,運動障害疾患,パーキンソン病,難治性振戦,全身性ジストニア

(受付日:2013年5月31日)