臨床神経学

<シンポジウム(4)―12―1>孤発性疾患における遺伝子異常の探索法

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辻 省次1)

1)東京大学医学部附属病院神経内科・ゲノム医学センター〔〒113-8655 東京都文京区本郷7丁目3-1〕

孤発性疾患は頻度の点では,遺伝性疾患よりも圧倒的に頻度が高いことから,その発症機構の解明,治療法の開発は強く望まれるところである.頻度の高い孤発性疾患の発症に関しては,遺伝的要因と環境要因などが絡み合って発症するのではないかと推定されているが,遺伝的要因をいかに探索するか,という点が大きな課題になっている.これまでの臨床遺伝学的な研究からは,孤発性疾患であっても遺伝的要因が強く関与することが示されている.このような遺伝的要因としては,遺伝子上に存在して当該遺伝子の機能に変化を与えるような変異が想定されるが,その他にも,コピー数変異などの構造変異,さらにはエピゲノムの関与なども想定することもできる.
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(臨床神経, 53:1330−1332, 2013)
key words:孤発性神経疾患

(受付日:2013年6月1日)