臨床神経学

<シンポジウム(4)―6―3>脳卒中のリハビリ:回復期6か月の壁をこわす新しい治療戦略

rTMS治療とリハビリテーション

安保 雅博1)

1)東京慈恵会医科大学リハビリテーション医学講座〔〒105-8461 東京都港区西新橋3丁目25-8〕

改善しないとされている上肢麻痺に対して,慈恵医大リハビリテーション医学講座は,反復性低頻度経頭蓋磁気刺激と集中的リハビリテーションを組み合わせた療法(NEURO; NovEl Intervention Using RepetitiveTranscrarnial magnetic stimulation and Intensive Occupational Therapy)を世界に先駆けて,体系化し,2009年4月より本格的に治療的リハビリテーションとして施行している.他施設共同研究でNEUROを施行された患者1,008人の結果から,NEUROは,慢性期にある脳卒中後上肢麻痺患者に対して安全に施行可能であり,高いfeasibilityをもって麻痺側上肢運動機能を有意に改善させる可能性をもつことを示唆した.また,NEUROによる麻痺の改善は障害側の神経賦活が重要であることをFMRIで示し,さらにCIMTとのrandomized controlled trialにより,NEUROの有用性を明確にした.
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(臨床神経, 53:1264−1266, 2013)
key words:反復性経頭蓋磁気刺激,脳卒中,上肢麻痺,脳機能画像,集中的作業療法

(受付日:2013年6月1日)