臨床神経学

<シンポジウム(3)―6―2>神経再生医療とリハビリテーション

脳梗塞の幹細胞治療におけるリハビリテーションの役割

石合 純夫1)

1)札幌医科大学医学部リハビリテーション医学講座〔〒060-8543 札幌市中央区南1条西16丁目〕

脳梗塞幹細胞治療の探索的試験においてリハビリテーションを担当した経験から,治療効果と評価方法を検討した.運動機能改善は,上肢または下肢,さらに,手指や足趾という比較的小さな機能単位でみとめられた.言語機能改善も,自発話,理解,呼称,復唱という言語側面のいずれかに現れる可能性が示唆された.評価法は,片麻痺の回復を捉えるBrunnstrom stageのように段階が粗いものでは変化をとらえにくく,よりきめ細かい尺度が必要であった.今後の医師主導治験においては,機能回復を誘導するリハビリテーションの最適化を図るため,採用された評価項目により詳細な方法を追加し,症状変化に応じた訓練方法をみいだしたい.
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(臨床神経, 53:1177−1179, 2013)
key words:脳梗塞,再生医療,幹細胞,リハビリテーション,評価法

(受付日:2013年5月31日)