臨床神経学

<シンポジウム(2)―2―2>パーキンソン病の非薬物療法とエビデンス

反復経頭蓋磁気刺激(rTMS)療法

代田 悠一郎1)

1)東京大学神経内科〔〒113-8655 東京都文京区本郷7丁目3-1〕

反復経頭蓋磁気刺激療法は,頭皮上に置いたコイルに高い電流を反復して流すことにより直下の大脳皮質を刺激し,刺激後にも続く効果をえる方法である.大脳皮質刺激がパーキンソン症状を改善しうることは近年の動物実験でも確認されており,2008年にはメタ解析でも高頻度刺激の有効性が報告された.さらにわれわれは,補足運動野に対する反復磁気刺激治療の臨床試験を二度おこない,数週間続く治療効果をえている.この他にもパーキンソン病の特定の側面に対象を絞った検討や,新規に開発された刺激パラダイムを応用した研究など,新しい試みがなされており,パーキンソン病に対する反復磁気刺激治療はいまなお発展途上の分野であるといえる.
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(臨床神経, 53:1050−1052, 2013)
key words:反復経頭蓋磁気刺激,パーキンソン病,補足運動野

(受付日:2013年5月30日)