臨床神経学

<シンポジウム(1)―3―1>神経筋疾患における発症前遺伝子診断の現状と課題

一地方病院の遺伝カウンセリングへの取り組み

大森 博之1)

1)山鹿中央病院神経内科〔〒861-0501 熊本県山鹿市山鹿1000〕

神経内科は遺伝子検査に臨むことがしばしばで,遺伝相談もよく受けるが,その先のカウンセリングとなると時間や人員のことで,対応しきれないことが多い.現在,地方病院の神経内科外来を担いながら遺伝相談をおこない,必要時には臨床遺伝専門医としての対応もおこなっている.どこまで踏み込むか,どの時期で2次,3次カウンセリングに引き継ぐか,ケースごとに難しい対応を迫られる.大学病院の遺伝カウンセリングチームの存在はカウンセラーにもクライエントにも安心感をもたらすが,早期に委ねることがすべて最良の選択とは限らず,主治医の踏ん張りも必要と感じている.
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(臨床神経, 53:1000−1002, 2013)
key words:遺伝相談,発症前診断,遺伝性神経筋疾患,予備的ガイダンス

(受付日:2013年5月29日)