臨床神経学

症例報告

治療抵抗性のてんかん重積に対してラモトリギンが奏効したmitochondrial encephalomyopathy, lactic acidosis, and stroke-like episodes(MELAS)の1例

甲斐 太1)*, 増田 秀一郎1), 徳永 紘康1), 林 茂昭1), 長堂 竜維1), 丸山 芳一1)

Corresponding author: 今給黎総合病院神経内科〔〒892-8502 鹿児島県鹿児島市下竜尾町4-16〕
1)今給黎総合病院神経内科

症例は16歳のMELASの女性である.発熱とミオクロニーてんかんが出現し,従来より使用されている各種抗てんかん薬の投与により軽快していた.1ヵ月後から再発作がみられ,フェノバルビタール,クロナゼパムにバルプロ酸を増量するも改善せず,てんかん重積が持続した.治療抵抗性のてんかん重積に対しラモトリギン追加投与で発作頻度が減少し,良好なコントロールをえることができた貴重な症例である.
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(臨床神経, 53:809−813, 2013)
key words:MELAS,てんかん重積,ラモトリギン

(受付日:2013年3月4日)