臨床神経学

総説

ジストニアの病態と治療

目崎 高広

Corresponding author: 榊原白鳳病院〔〒514―1251 三重県津市榊原町5630〕
榊原白鳳病院神経内科

ジストニアは,中枢性の持続的な筋緊張を特徴とする運動異常症の一症候群である.その臨床特徴として,定型性,動作特異性,感覚トリック,オーバーフロー現象,早朝効果,フリップフロップ現象,共収縮,陰性ジストニア(仮称)などがあり,これらを参考に診断する.通常,局所性ジストニアの治療はボツリヌス毒素の筋肉内注射が第一選択である.一次性ジストニアで,より広範な身体部位を侵すばあいには,定位脳手術を考慮する.二次性ジストニアにおける定位脳手術の成績は一般に劣るが,遅発性ジストニアでは効果が高い.内服治療は,有効率が通常低く,一方,副作用の頻度は高いため,特殊な病型以外では補助療法としての位置づけに留まる.
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(臨床神経, 51:465−470, 2011)
key words:ジストニア,陰性ジストニア,腰曲がり,診断,治療

(受付日:2011年3月27日)