臨床神経学

第50回日本神経学会総会

<50周年記念講演>
日本神経学会
―誕生と発展―

高橋 昭

名古屋大学名誉教授〔〒474-0026 愛知県大府市桃山町四丁目126番地〕

日本神経学会は1960年4月15,16両日福岡市において勝木司馬之助九州大学内科学教授を会長として第1回「日本臨床神経学会」総会を開催,1963年第4回総会(大阪)において「日本神経学会」と改称,2009年仙台市において第50回総会を迎えた.学会の機関誌『臨床神経学』は1960年10月に創刊号を発行,学会名は変更になったが,会誌名の変更はなく今日に至る.今日の「日本神経学会」の誕生には,多くの紆余曲折があり多難な道程であった.1902年には「日本神經學會」が設立されたが,精神医学関係者の会員が増加し,1935年に「日本精神神經學會」と改称された.この学会では勝沼精藏が神経学関係者として久しく孤城を守っていたが,1946年から冲中重雄らが加わり,1954年に同会の「神経学部門」が独立した.1956年には「内科神経同好会」が結成,1959年11月9日第5回内科神経同好会(東京)において「日本臨床神経学会」設立が承認され,1960年4月に「日本臨床神経学会」が設立された.
Full Text of this Article in Japanese PDF (1145K)

(臨床神経, 49:724−730, 2009)
key words:日本神経学会, 川原 汎, 三浦謹之助, 勝沼精藏, 冲中重雄

(受付日:2009年5月19日)