臨床神経学

短報

電気生理学的に脛骨神経刺激S-SEPのみの異常を呈するニューロパチーを合併したCastleman病の1例

久徳 弓子, 黒川 勝己, 村上 龍文, 砂田 芳秀

Corresponding author:川崎医科大学神経内科〔〒701-0192 岡山県倉敷市松島577〕
川崎医科大学神経内科

症例は77歳の女性.腹部症状の精査にてCastleman病と診断された頃から両下肢のしびれ感が出現した.末梢神経伝導検査(NCS)では,F波もふくめて異常をみとめなかったが,脛骨神経刺激での短潜時体性感覚誘発電位検査(S-SEP)にてのみ異常所見を呈した.Castleman病自体に対する治療により感覚障害も改善し,S-SEP所見も改善した.本症例は脛骨神経刺激S-SEPのみの異常を呈するニューロパチーであり,末梢神経近位部でのニューロパチーを診断する上で,S-SEPの有用性が示唆された.
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(臨床神経, 49:664−666, 2009)
key words:Castleman病, 末梢神経, S-SEP

(受付日:2009年7月7日)