臨床神経学

短報

FDGをもちいたPETが診断に有用であったneurolymphomatosisの1例

星川 恭子1), 小栗 卓也1), 服部 学1), 上松 則彦1), 松川 則之1), 山脇 健盛1), 楠本 茂2), 小鹿 幸生1)

1)名古屋市立大学大学院医学研究科 神経内科学〔〒467-8601 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂町川澄1〕
2)同 医学研究科 腫瘍・免疫内科学

症例は38歳男性である.悪性リンパ腫が化学療法により完全寛解にいたった後,左上肢の筋力低下と感覚障害が出現した.原因検索のため,頭頸部MRI, 67Gaシンチグラフィをおこなったが病変を特定できなかった.しかしFDGをもちいたPET/CTで,左C7/Th1椎間孔出口に一致して明瞭な集積をみとめ,この所見よりneurolymphomatosisと診断した.再度化学療法を施行したところ,これらの症状は改善し,異常集積像も消失した.Neurolymphomatosisの診断・治療効果判定において,FDG-PETおよびPET/CTが有用と考えられた.

(臨床神経, 47:437−440, 2007)
key words:neurolymphomatosis, 非ホジキンリンパ腫, FDG-PET, PET/CT

(受付日:2006年11月30日)