臨床神経学

第48回日本神経学会総会

<シンポジウム10-5>機能回復神経学
てんかんの外科:適応の決定と最新の治療

池田 昭夫

京都大学・医学研究科・脳病態生理学講座 臨床神経学〔〒606-8397 京都市左京区聖護院川原町54〕

てんかん外科において,難治発作を抑制でき手術で脳機能低下をきたさない,という「機能回復神経学」の目的を達成するには,焦点を正確に同定し,かつ切除部位の正確な脳機能検索が肝要である.神経内科医が日常診療で難治患者を専門施設に紹介する立場においても重要と思われる項目として,1)難治性の認識,2)左内側側頭葉てんかんにおける術後の言語記憶の低下,3)MRI所見が陰性の新皮質てんかんの手術成績の向上,4)発作症状と発作起始焦点の解離の認識,5)interventional neurophysiologyによる外的あるいは内的に脳内抑制系を賦活する方策の模索,が挙げられる.

(臨床神経, 47:957−959, 2007)
key words:てんかん外科, 適応, 最新治療, 治療介入的神経生理学

(受付日:2007年5月16日)