臨床神経学

症例報告

発症して長期経過後の脳室腹腔シャント術が有効であった特発性正常圧水頭症の3例

丹羽 央佳, 原 敬史, 濱 哲夫, 村上 信之

刈谷豊田総合病院神経内科〔〒448-8505 愛知県刈谷市住吉町5-15〕
現:碧南市民病院神経内科

発症8〜15年後の脳室腹腔シャント術が有効であった特発性正常圧水頭症(iNPH)の3例(手術時77歳男性,70歳と83歳女性)を報告した.このうち2例は進行性核上性麻痺(PSP)と診断されていた.治療に反応するiNPH長期罹患例や,PSPと誤診されているiNPH例の存在が示された.

(臨床神経, 46:544−549, 2006)
key words:特発性正常圧水頭症, 進行性核上性麻痺, 脳室腹腔シャント術, 長期経過

(受付日:2006年2月23日)