臨床神経学

症例報告

頭蓋外内頸動脈解離に続いて頭蓋外椎骨動脈解離を発症し,皮膚膠原線維に形態異常をみとめた1例

仙石 錬平1), 佐藤 浩則1), 本田 英比古1), 井上 聖啓1), 尾野 精一2)

1)東京慈恵会医科大学 神経内科〔〒105-8461 東京都港区西新橋3-25-8〕
2)帝京大学医学部附属市原病院 神経内科

症例は,基礎疾患に高血圧,高脂血症のある41歳男性である.先行する両側側頭部痛後に左片麻痺をおこし,画像検査で右頭蓋外内頸動脈解離と診断した.さらに2週後に右頸部痛がおこり,右頭蓋外椎骨動脈解離をみとめた.特発性動脈解離の原因検索として右上腕の皮膚生検を施行し,外見上皮膚結合織異常を呈していないにもかかわらず,電子顕微鏡学的に皮膚膠原線維の形態異常(大小不同,花弁様の変化等)がみとめられた.

(臨床神経, 46:140−143, 2006)
key words:頭蓋外内頸動脈解離, 頭蓋外椎骨動脈解離, 皮膚生検, 皮膚膠原線維

(受付日:2005年4月13日)